《ハム番24時》2月21日
浅間、今川の同学年サシ飲みがついに実現した。18日に沖縄・金武で行われた楽天戦に出場後、バスで2軍宿舎のある国頭に戻った2人。車中で「きょう(サシ飲み)行けるんじゃね?」と急きょ、開催案が浮上した。
しかし、この時点ではまだ、今川が浅間を信じ切れていなかった。「冗談だと思ったので、僕から『じゃあ、7時半集合で』とは言ったんですけど、部屋に戻って、ゆっくりシャワーを浴びていたんです」と、半信半疑だった。
それでも浅間は、本気だった。午後7時20分過ぎに、向かいの部屋をドン、ドン、ドンとノック。すると、今川はシャンプーで頭を泡だらけにしたまま、真っ裸で姿を現した。「行くって言ったやん、行くぞ」「え? マジで? 行く?」。急いで泡を洗い流す今川に、浅間は「まだ時間前だから大丈夫。洗うところちゃんと洗ってから来いよ」と優しく声をかけたという。
その後、2人は宿舎の近くの居酒屋へ足を運んだ。これまで、2人の間には〝薄い壁〟があるとされてきた(2月2日のハム番24時参照)。互いに気を使う性格ゆえ、同学年でもどこか、よそよそしさが消えなかったという。それでも、向かい合って泡盛を酌み交わし、あっという間に打ち解けた。
今川は「最初、緊張したんですけど、気付いたらずっと話していました。その日の試合で僕はタイムリー打ったんですけど、浅間は5タコで『さすがに、5タコはないな』と気落ちしていたので、『そんなこともあるよ』と励ましたり、逆に、僕が去年クビを覚悟したので、浅間もクビを覚悟したことがあるか聞いてみたり。ケガしたときの心境を聞いたり、結構真面目に、深い話もしましたね」。浅間は「(サシ飲みでも)行ってみたら、意外といけましたね(笑)。結婚の話とかもしましたよ。僕は結婚したいんですけど、いろいろ話した結果、〝今川分析〟によると、(浅間)大基はまだ本当の意味ではあんまり結婚したいと思ってないだろう、ということらしいです。したいんですけどね(笑)」。真剣な話から恋バナまで、閉店時間ギリギリまで語り明かしたという。
国頭の夜を経て、2人の仲は本物になった。浅間が「もう、僕と話していても、今川の顔の引きつりはない。変わりましたね。普通にしゃべられるようになりました。友だちだと、胸を張って言える関係にはなったんじゃないですかね。飲みに行ったことも大きかったですけど、キャンプを通していろいろな話ができたなと思いました。もう、外野で連係ミスが出ることもないと思います」と笑えば、今川は「今までは気を遣っていましたけど、もうなくなりました。だいぶ、距離が縮まったと思います。絆が深まりました。いつもは酔わないんですけど、少し酔いましたね。楽しかったです」とうれしそうだった。
ちなみに、21日の練習中、道スポ記者を見つけた浅間と今川は「きょう絶対、あれ(サシ飲み)のこと聞きに来たな」と笑い合っていたらしい。道新スポーツデジタルの記事が少しでも、2人の友情に貢献できていたなら幸いです。