コンサドーレ
2024/02/26 11:30

《こぼれ球》不惑のプレーにワクワク

 21日、男子マラソンの今井正人(39)が現役を引退することを表明した。順天堂大時代には箱根駅伝の山登りコースである5区で3年連続区間賞、うち区間新記録2回と驚異的な成績を収めて〝山の神〟と呼ばれた名ランナーだが、トヨタ自動車九州所属後も息の長い活躍を見せ、昨年9月に行われた今夏のパリ五輪のマラソン代表を決めるMGCにも出場していた。箱根駅伝でのすばらしい走りに魅了され、また自分と同じ1984年生まれもあって個人的に応援し続けてきた選手だけに、そのニュースには寂しさを感じたが、40歳を迎える年まで第一線で戦い続けたことには尊敬の念を禁じ得ない。

 そして同じ84年生まれで現在も活躍を続けているプロアスリートが身近なところにもいる。北海道コンサドーレ札幌の守護神・GK菅野孝憲(39)だ。

 初めて菅野のプレーを現地で見たのは2004年4月に札幌ドームで行われた横浜FC戦だ。札幌のゴール裏からそのプレーぶりを見て「時間の使い方が非常に上手いGKだな」(※オブラートに包んだ表現をしています)と感じたのを思い出す。横浜FC、柏、京都と移籍し、幾度となく相手ゴール前で札幌のシュートを防いできた手強いGKだったが、18年からは札幌に在籍してチームのピンチを防いでくれる心強い存在となった。初めて見た時は互いにまだ19歳。あれから20年が経って、札幌の選手と取材記者として接点ができるのだから人生というのは面白い。

 先日取材させてもらった時にも年齢の話題になったが「誰よりも楽しもうと思いますし、毎日毎日終わってもいいという気持ちで全力でできているので、そういう意味では良い毎日を過ごせているのかなと思います」と、40歳を気持ちの面では自然に受け入れつつ、身体面では極限まで鍛え抜いて衰えを全く感じさせない、そんなプロフェッショナルな姿勢にただただリスペクトを感じる。

 『不惑』と言われる40歳。だが菅野にはいい意味でワクワクと心を惑わせる活躍ぶりを今季も見せてほしいし、〝同級生〟が現役としてプレーし続ける姿を1日でも長く見守っていきたい。

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