【西川薫】プロ野球開幕間近! 開幕投手を務めるあの選手や新人開幕スタメンを狙うあの選手 注目の道産子プロ野球選手をピックアップ
3月29日、今年もプロ野球が開幕します。1950年の2リーグ制施行後のデータをひも解くと、北海道のプロ野球ファンにとって楽しみな記録が複数ある。まずは鹿部町出身の日本ハム・伊藤大海投手(26、駒大苫小牧高、苫小牧駒沢大)。北海道出身では5人目となる開幕投手に内定している。
第1号は、1951年に札幌市出身の田原基稔さん(故人、北海中-札幌鉄道局)が国鉄スワローズ2年目の22歳で開幕投手を務めた。2人目はプロ11年目の1987年から3年連続で開幕投手になった奥尻島出身の佐藤義則さん(69、函館有斗高-日本大で)。3人目は旭川市出身で道産子最多176勝の左腕・星野伸之さん(58、旭川工業高出)。佐藤さんは5度、星野さんは9度(うち阪神で2度)務め、2人で阪急時代の1987年からオリックス時代の1998年まで12年間に渡って、開幕投手のバトンを繋げた。4人目は伊藤投手の地元の先輩・盛田幸妃さん(故人、函館有斗高出)。プロ9年目の1996年から2年連続で務めたのが、道産子開幕投手最後の足跡。初めて大役を担う伊藤投手にも、これから何度も開幕戦を任されるような大投手に成長してほしい。
2つ目は高卒2年目の門別町(現・日高町)出身の阪神サウスポー・門別啓人投手(19、東海大札幌高出)。最速151キロの直球を武器に右打者の内角をえぐるクロスファイヤーを引っ提げ、開幕ローテ入りへ沖縄キャンプで好アピールを続けた。3月2日に札幌ドームで行われた日本ハムとのオープン戦で凱旋登板。結果は先発して4回1失点。もし10代での開幕ローテ入りが実現すれば、道産子では初めての快挙となる。2年連続日本一を狙うチャンピオンチームでの若手の台頭に北海道の虎党の期待が高まる。ちなみに、北海道出身者のプロ最年少勝利は、日本ハムの根本悠楓投手(20、苫小牧中央高出)が2022年5月29日の巨人戦で記録した19歳1カ月29日。北海道関連では兵庫県出身の楽天・田中将大投手(35、駒大苫小牧高出)が1年目の2007年4月18日にソフトバンク戦で記録した18歳5カ月17日だ。
野手の注目度ナンバーワンは、札幌市出身でドラフト3位で中日入りした辻本倫太郎内野手(22、北海高-仙台大)。大学3、4年時には侍ジャパン大学代表に選出されていて、現在は遊撃手として北海道出身初、大卒野手初の開幕スタメン入りを目指してオープン戦で活躍中だ。6月には北広島市のエスコンフィールド北海道で日本ハムとの交流戦が予定されており、凱旋出場に期待がかかる。道産子2人目、野手では初の新人王も夢ではないだろう。
3人とも高校や大学時代に取材したことがあるが、共通するのは当時から持っていた高い目的意識と強いプロ入りへの意志。ほかにも注目の道産子はたくさん。今年のペナントシリーズを大いに盛り上げてほしい。