3年目野手の阪口楽 三塁打を含む3安打 アピール成功の裏に〝稲葉塾〟あり
■練習試合 サムスン3ー4日本ハム(2月23日、タピックスタジアム名護)
新庄監督に猛アピール! 「絶対に打ってやろう」
日本ハムの高卒3年目・阪口楽内野手(20)がキャンプ最終盤に爆発した。「8番・三塁」で先発すると、第1打席の右中間三塁打を皮切りに、3打席連続安打をマーク。4打数3安打1打点の活躍で、見守った新庄監督に強烈なインパクトを残した。
「(2軍キャンプ地の)国頭で、できることは全てやろうと思って取り組んでいました。ここまで全然、何もアピールできていなかったので、失うものはない。絶対に打ってやろうと思って試合に臨みました」
売り出し中の有薗から強い刺激
嫉妬にも似た感情を抱えながら、打席に立っていた。同学年の有薗がキャンプ序盤の紅白戦で本塁打を放つなどアピールを続ける中、自身は思うように結果を出せず「死ぬほど悔しかったです。うらやましいというか、自分も打ちたい、しかなかったです」
この日も、先に安打を放ったのは4番に座ったライバルだったが「うわ、打ちよったーって思いました(笑)。自分も打つしかない」と刺激に変え、快音を響かせた。
ライバルの存在を力に 「追い付け追い越せでやっています」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
有薗とは入団以来、常に切磋琢磨し続けてきた。「最初は全然レベルが違った。同級生にこんなのがいるんや、別格やって思いました。同級生にあれだけいいバッターがいたら、超えてやろうという思いしかない。いい刺激になっていますし、追い付け追い越せでやっています」と力を込める。
稲葉2軍監督との特打で急成長 感謝の思いも胸に
2軍キャンプで〝入門〟した稲葉塾の効果も絶大だ。全体練習終了後、阪口は毎日のように特打を行い、そのたびに稲葉2軍監督から密着指導を受けてきた。
「稲葉さんから毎日、マンツーマンで教えてもらっているので、それが自分の中でしっくりきている。毎日、毎日、練習に付き合ってもらって、それがちょっとずつ形になってきたかなと思います。ずっとトスを投げてくれたりして、本当に濃い時間を過ごせています」と感謝した。
アドバイスも効果絶大 「納得して取り組めている」
阪口には打撃の悪癖があったが、通算2167安打を放ったレジェンドからの指導で、改善の兆しが見えてきた。
「僕はスイングで、下からすくってしまう癖がある。稲葉さんに、スイングの軌道だったり、ボールを待つ場所だったりを具体的に教えてもらって、そこだけ意識して打席に立っています。頭の中で理解して、納得して取り組めているかなと思います」と笑顔を見せた。
全力疾走の先に… 飛躍を期すプロ3年目シーズン
キャンプ中の息抜きは「休日に寝ることぐらい」と、野球漬けの毎日を送っている。目指すは、エスコンフィールドでのプロ初本塁打だ。
「下(2軍)で結果を残さないと上(1軍)には上がれないと思うので、ずっと打ち続けられるようにやっていきたいと思います」。沖縄で〝稲葉の教え〟に触れた未完の大器は、プロ3年目の今季を全力疾走で駆け抜ける。