札幌DF岡村大八が攻守で奮闘 敵地の開幕戦で勝ち点1も「全然満足はしていないです」
■J1第1節 福岡0―0札幌(24日、福岡県・ベスト電器スタジアム)
北海道コンサドーレ札幌DF岡村大八(27)が攻守両面で奮闘を見せ、敵地での開幕戦で貴重な勝ち点1をもぎ取った。
左に中村、右に馬場と若手で3バック形成
3バックの左に23歳のDF中村桐耶、右に22歳のDF馬場晴也、共にJ1で初めて開幕スタメン出場となった若手を配し、その中央で2年連続の開幕戦先発出場を果たした。「僕が最年長なので引っ張っていって、お互いの距離感をすごく意識して。カバーリングのところは今回の試合に関してはすごく良かったんじゃないかなと感じています」と振り返った。まさに〝扇の要〟と言えるプレーを披露した。
相手FWウェリントンをシュート0に抑え
本職の守備ではJリーグ通算76得点を誇る186センチの福岡FWウェリントン(36)にほとんど仕事をさせず、シュート0本に完封。パワー系FWに絶対的な強さを誇る岡村がきっちり役目を果たした。「強い相手でヘディングも強いので、近づきすぎるのではなくて触らせてから(ボールを)獲る、トラップ際を狙おうと考えていて。いいように対応できたんじゃないかなと思います」と胸を張る。
前線に持ち上がり、スパチョークにスルーパス
攻撃面ではこの日は再三前線に顔を出した。前半25分にはボール奪取から一気に前線へ持ち上がってペナルティーエリア内のMFスパチョーク(25)にスルーパスを出した。惜しくもわずかに合わなかったものの、守備だけではなく攻撃でも強い存在感を発揮してみせた。「自分が運ぶことによってディフェンスが1枚来るので、そこでうちの選手もフリーになりますし。特に相手から獲ってチェック(※スパチョーク)にパスを出したシーンなんかは、自分がもっと技術が高かったらゴールに直結したシーンだったので、次こそ生かせるようにしたいですし、ああいったシーンをどんどん出せていければいいかなと思います」。今シーズンは岡村の積極的な攻撃参加にも注目だ。
FW大森、GK高木とキャンプ終盤に次々負傷
今年の沖縄キャンプでは負傷者が相次いだ札幌。熊本に入ってから徐々に選手も復帰して臨戦態勢を整えつつあったが、17日に行われた開幕前最後の練習試合でゴールを量産し好調を維持していたFW大森真吾(23)が相手選手との接触で左膝を負傷し戦線離脱。23日に行われた前日練習では主力組としてプレーしていたGK高木駿(34)も左足を負傷し、急遽開幕戦の出場を回避した。「正直ケガは仕方ない部分ですし、(代わりに)みんながやるって気持ちでやっていかなきゃいけないと思います」。この日の舞台を目指して練習に取り組んできた仲間たちの思いを胸に開幕戦の90分間を戦い抜いた。
「ゼロで守れたところはポジティブに捉えています」
岡村ら守備陣の奮闘もあって、昨シーズンはリーグ戦で4度しか達成できなかったクリーンシートを早くも開幕戦で達成。「失点しなければ負けることはないですし、GK含めてゼロで守れたところは個人的にはポジティブに捉えています」と前を向く一方で、引き分けの結果には「正直納得はしていないですね。開幕からスタートダッシュを切るために、アウェーでも勝ち点3を取らなければいけないゲームだったので、勝ち点1という結果に関しては全然満足はしていないです」と厳しい評価を下す。この日取れなかった勝ち点3を次節の鳥栖戦(3月2日、駅スタ)で手中に収めるべく〝北の番人〟は戦い続ける。