ファイターズ
2021/11/11 14:46

守備位置大シャッフル!?ビッグボス流シートノック

スタンドからシートノックを視察し笑顔の新庄監督(撮影・松本奈央)

■国頭・秋季キャンプ

 来季の守備位置、大シャッフル?! 日本ハムのビッグボス・新庄剛志監督(49)が10日、3日間に及ぶ沖縄・国頭での秋季キャンプ視察を終えた。最終日となったこの日は、選手のポジションを入れ替えて、シートノックを行った。「まずは、あのポジションで守れるという幅を広げてほしい」と複数の守備位置を守れることを求めた。しっかりと守備適性も確かめ、ポジションを構想する上での参考にする。

捕手→外野、外野→内野 狙いは「愛情を持って送球」

 これもビッグボス革命の一つか―。球場入りの際は「きょう(10日)はクライマックス(シリーズ、CS)なので、話題は控えます」と、この日から始まったCSに配慮した発言をしていたが、またも個性的な練習メニューを取り入れ、注目をさらった。
 全体アップを終えると、ビッグボスはスタンドのバックネット裏に姿を現した。「記者の方、いい?」と報道陣を呼び寄せ、その後に行われたシートノックの説明を始めた。
 「キャッチャーを外野、外野を内野。内野の子はちょっと変えたところを」と、守備位置をシャッフルすることを明かした。捕手陣は外野に散り、外野手の万波が三塁、五十幡は遊撃へ。三塁が本職の野村は一塁のポジションに入った。
 自身も阪神時代に本職の中堅ではない遊撃の練習を重ねたことが、レギュラー奪取につながったという。「俺も内野をやって、ずっと外野をやっていたら1軍に上がれなかった。もっと(昇格が)遅れたかもしれない」
 いつもと違う位置からの景色で気付くことがある。「外野は内野の気持ち、キャッチャーは外野の気持ち。こういうボールを投げればいいんだなというのを、愛情を持って送球する」と、ポジションごとに相互理解を深める狙いがあった。さらに選手ごとに動きを見極め、「全部(頭の中に)入りました!」と、各選手の適性もしっかりとチェックした。
 シートノック前には「キャッチャーって細かい動きだから、外野なんかできると思う。2週間くらい練習させれば」と読んでいた。するとその通り、捕手陣は不慣れな外野にもかかわらず、好送球を連発。新庄監督は「キャッチャーはいいね」とうなりながら、拍手を送る場面もあった。
 二塁に入った宮田の動きにも関心を抱いた。終わった後には本人を呼び寄せ「いいね、一人だけ動きが違った」と声をかけた。宮田は「(内野で)足を動かしたり、スナップ(スロー)とかも見ていると思う」と、必死にビッグボスの意図をくみ取ろうとしていた。
 違うポジションをやったことで、白球を追う選手たち自身も新鮮だったはずだ。ビッグボスは「何よりも、(選手が)楽しそうだった」と満足げに振り返り、「ここからまた鎌ケ谷で練習している子たちが入ってきて、いろんなポジションを守らせて。めちゃくちゃ面白い」と思いを巡らせた。意外な形で、横一線の競争を勝ち抜く選手が出てくるかもしれない。
(十島功)

慣れない守備位置への挑戦に選手も刺激

◆三塁に入り、強肩や器用さを見せた万波中正外野手 「内野手の難しさを改めて感じられた。外野から送球する時に、ここだと捕りやすいなとか、意識して投げることが大事だと、自分で受けて、すごい感じました」

◆中堅に入り、好送球を見せた郡拓也捕手 「楽しいです。センターはなかなかないので面白かったです。元々いろんなポジションをやっているので、いいのかなと思っています」

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