根本悠楓 オープン戦初登板で3回0封 昨季の〝大失敗〟生かし充実キャンプ「去年に比べたら全然いい」
■オープン戦 広島2ー3日本ハム(2月25日、タピックスタジアム名護)
キャンプ最後の実戦で好投 ピッチング内容にも納得
侍ジャパン合流前に、首脳陣に強烈なインパクトを残した。日本ハムの根本悠楓投手(20)がオープン戦初登板で3回2安打無失点の4奪三振と快投。プロ4年目のキャンプを最高の形で締めくくった。
「(キャンプ中で)一番、良かったです。真っすぐは前回、前々回の登板と比べて、だいぶ良くなってきた。空振りも取れていたので良かったです。変化球もしっかりゾーンに行って、空振りもストライクも取れていたので、ああいうふうに決まれば、打ち取れるんだなと思いました」
圧巻の4連続K ピンチにも動じず無失点投球
空を雲が覆い、沖縄らしくない寒さが襲った名護のマウンドも、白老出身の道産子左腕には問題なかった。六回から3番手で登場し、4者連続三振を含む圧巻の8者連続斬り。八回2死から連打を浴びたが、「かなり気合が入りました」と、最後は坂倉を遊ゴロに打ち取り、笑みがこぼれた。
先発ローテ入りへ前進 晴れ晴れと侍ジャパン合流へ
3月6、7日に京セラドーム大阪で欧州選抜と対戦する侍ジャパンのメンバーに選ばれている。代表戦前の登板は、この日が最後になる見込みだ。チームを離れる前に、目指す開幕ローテーション入りへのアピールに成功し「だいぶ安心しました」と胸をなで下ろした。
忘れられない1年前の苦悩
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もう、同じ失敗は繰り返さない。昨季はオフに4キロの減量を敢行したが、完全に裏目に出た。「ダッシュやジャンプの数値は良くなったんですけど、いざ投げようってなったら、うまく体重が乗らないんです。(昨年の春季)キャンプ中から、どうも腕が触れなくて、ボールに力がない感じでした」
痛恨の出遅れで開幕1軍を逃し、徐々に体重を増やして球威を取り戻した頃には、シーズンはすでに中盤にさしかかっていた。
すべては血となり肉となる ただでは転ばない道産子左腕
反省を生かし、今季はオフの減量を一切やめた。「今は去年に比べたら全然いいです。でも今思えば、減量したことも良い失敗でした。当時はかなり精神的にきていましたけどね。何であんなことしたんだろうって。でも、それもやってみないと分からなかったので」。失敗を糧にしたからこそ今、成長した姿を見せられている。
3年目の1軍キャンプ 充実の1カ月が終了
高卒4年目で、1軍キャンプはすでに3回目。今年もまだ最年少だが、すっかり先輩たちともなじんでいる。 「いやー、もちろん気は使いますけど、1軍も3年目になるので、だいぶそういうことも減りましたね。プロ2年目の時に初1軍だったので、その時はやばかったです。全然(先輩たちと)しゃべったこともないし、大変でした。今は金村さんだったり、河野さんだったり、みんな話しやすいです」
メンタル面の不安もなく、充実の1カ月を過ごした。
激しさ増す開幕ローテ争い ライバルたちも好投
開幕ローテ5枠の争いは熾烈(しれつ)を極めている。開幕投手の伊藤、加藤貴、山崎は決定済みで、バーヘイゲン、マーフィーの助っ人コンビ、この日も4回無失点と好投した上原、新人王を狙う金村、下手投げの鈴木、3年目の北山らがキャンプで存在感を示した。
残り1カ月のサバイバル 「アピールして入りたい」
もちろん、根本も負ける気はない。「いっぱい良い投手がいる。まだオープン戦で投げると思うので、そこでアピールして入りたい」と力を込めた。本番まで残り約1カ月。先輩たちを蹴散らす準備は整っている。