【一問一答】稲葉2軍監督 初陣勝利に「エスコンで指揮を執らせていただけるのは、僕の中で夢のような時間」
■春季教育リーグ オイシックス3ー8日本ハム(3月1日、エスコンフィールド北海道)
今季からファームの指揮を執る日本ハムの稲葉篤紀2軍監督(51)が1日、エスコンフィールド北海道で行われたオイシックス新潟との〝初陣〟で勝利を収めた。2014年の現役引退から10年。久々にファイターズのユニホームに袖を通したレジェンドは、勝利と育成の両立を目指して再び全力疾走する。試合後の一問一答は以下の通り。
―エスコンで初指揮
「勝てたので良かったです(笑)」
―前日はどこに座ろうと話していた
「一番前の席に座ろうか、立とうかというところでした。攻撃中はある程度、立ちながら、守備の時は座って。投手は立っていられると、
良いようには思わないらしいので。できるだけ座ってました(笑)」
―試合の中で良かった点は
「投手陣はどの投手も良かったと思う。いろいろと課題を持った選手もいたけど、その中でもいいピッチングをしてくれた。打者陣も今年はエスコンが初めてで、ある程度の緊張感がある中でうまく調整して、試合に入ってくれました」
―選手の中にはエスコンが初めての選手もいた
「野手の外国人選手はグワチョ(マルティネス)以外は初めて。それでもうまく対応していましたね。スティーブンソンは惜しい当たりが向こうの好守備に阻まれたけど、バットは振れている。レイエスは逆方向に本塁打を打てるのが魅力だなと。外国人も含めて、みんないい調整をしていますね」
―有薗らがいい活躍
「うれしいですね。自信にしてほしい。有薗は昨年、一昨年と1軍の試合に出たが、なかなかいい結果が出なかった。その中でキャンプ(の紅白戦)で1軍に呼ばれて本塁打を打ったり、きょうもヒットを打った。ボスが見ている中でね。守備でも三塁前のゴロをしっかりさばいて、成長している」
―今季のエスコン初戦は2軍戦。その意義は
「ほとんど(メンバーは)1軍でしたけど(笑)。その指揮を執らせていただけることも、私自身へのご褒美かなと。平日にもかかわらず、来ていただいて応援してくださって、途中で稲葉ジャンプの音楽もなってね。懐かしく思いながらも、いよいよ始まっていくんだなという思いになりました。このエスコンで指揮を執らせていただけるのは、僕の中で夢のような時間でした。本当にありがたかったです」
ーオイシックスとは今季2軍で対戦する。新規チームが入ったことの意義は
「オイシックスには、もう一度プロを目指す選手、これからプロを目指す選手がいて、2軍ではあるけど、プロとの対戦はこれからのモチベーション、参考になっていくと思う。お互いに切磋琢磨しながら成長につながっていけばいいと思う。きょうもプロ経験がある投手がたくさんいて、良い投手だなと思う選手もいましたし、振れている打者もいました。お互いのレベルアップにつながればいいですね」
ー相手にはホームランも。驚きは
「正直、レベルが分からなかったので、どんなものかな?と見ていたけど、これがファーム同士のゲームだったら、もっと良い勝負になるんだろうなと感じました。良いレベルにあることを肌で感じましたし、われわれも負けられない思い。もっとレベルアップをしなければいけない」
ー開幕に向けてチーム全体のレベルアップが必要
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「1軍選手も、ファームには良い選手がたくさんいるので、調子が悪かったら落とされるよと。やっぱり活性化が必要。チームの底上げは非常に大事。選手に1軍のチャンスがあるんだよと後押ししながら1年やっていきたい。1、2軍の差はまだあると思うので、そこを少しでもなくせるようにやっていきたい」
ー1、2軍の総合力を見る意味でも、きょうのゲームは有意義だったか
「そうですね。外国人選手も見られましたし、守備も全体を見ることができた。いろいろなことが把握できたので、この1試合はすごく良かったです」
ーレイエスが一発。どういうタイプか
「きょう、打撃練習を見てても、すごい飛距離だった。捉える感じもすごく良い。今年1年目だけど、やるんじゃないかな?と感じました。スティーブンソンも意外とバットスピードが速い。対応力もある。これから1軍投手がオープン戦に出てくるので、そこでの対応になると思う。打撃練習では鋭い打球を打っている。何より真面目で一生懸命やっているので頼もしく思いました」
―レイエスは誰に似ている
「タイロン・ウッズとか長距離砲かな。やっぱり一発があると、怖さはあると思う。選球眼もいいですしね。あとは慣れだと思う」
―逆方向に飛ばせるのが魅力的
「そうですね、エスコンはそんなに広くないので、逆方向に一発が打てる選手がいるだけで、打線の厚みが増す。スティーブンソンもきょうは本当に惜しい当たりでね。打撃がいいなと思いました」
―ベンチの中では多くの選手に声をかけていた
「若い選手はなるべく監督やコーチの近くに座ってもらって、われわれがどういうことを話しているのか聞いてほしかった。僕も気付いたことがあったら、こういうケースはこうだよと話をして、彼らには常にノートを書いてもらう。そういう習慣付けを今年1年やっていこうかなと思っている。どんどん選手を呼んで、どういう考え方なのかを伝えていこうかなと」
―ノートをつける。それは現役時代から
「僕はファイターズに来てもそうですけど、現役時代には常にノートを置いて、自分がどう打ち取られたとか、新しい投手はどういう特徴があって、どういう球種があって、どういう球速があって、と書いていた。次に自分が対戦する時に読み返して、こういう投手だと思い出す。やっぱり記憶力だけでは覚えられないので。浜田にはきょう『出てきた投手の特徴を書いておけば、次につながるでしょ』という話をしました。ノートをつけるというのは大事なこと」
ーノートを取り始めたのはいつから
「野村監督の時にずっとノートを書けという教育を受けて、常に持っているようにしていました。そこからやっています」
ー選手にはどのような姿勢で野球に取り組んでほしい
「その時、その時の打った投げた走ったというのは、当然やること。頭を使うことですね。ケースやイニング、この点差でこういう時はこういうことをしようと。どうやって1点を取るかも、どうやって1点を守るかというのもね。頭を使って野球をするのは大事だと思うし、こちらのサインで動くのではなく、このケースはこうだよねって、自分たちで考えてやれるようになるのが一番、理想。そういうところを教育していこうかなと思っています」
ー先発の伊藤は
「いいですね。この時期であのスピード。球もまとまっていましたし、いつも力むとバラける傾向が去年まではあった。この時期であのスピード、切れを出せている。たぶん開幕までに、もう一段階、上がっていくと思います。現時点ではいい調整ができている」
ー試合中に稲葉ジャンプも発生した
「ちょっとジーンとしました。ありがたかったですね。ファームって(鳴り物の)応援がないので、選手がどう感じてくれたのかな?っていうのは気になりました。そういう(応援される)選手になってほしいですよね」
ーあしたの試合は
「最初は若いメンバーでいきます。主力は後からで考えています。若い選手をスタメンから。準備や気持ち(の大切さ)をエスコンで感じてほしい。もちろんルーキーもスタメンで出る予定です」
ーグラウンドの土や芝が変わった
「そうですね。少し土の部分が広くなった。きょうは内野の芝を結構、刈ってくれたという話は聞いていました」