レバンガ 26年開幕「Bプレミア」参入へいばらの道 北海きたえーるの改修工事を道に依頼
札幌市内で会見し、計画の軌道修正を発表
Bリーグ1部のレバンガ北海道の横田陽CEO(47)は1日、札幌市内で会見を開き、2026-27シーズンにスタートする新リーグ「Bプレミア」のライセンス取得へ必要な新アリーナ確保の問題で、当初予定していた計画を軌道修正したと発表した。
五輪招致断念で補助金下りず、新アリーナは先延ばしに
当初は、老朽化している月寒体育館を28-29シーズン開幕までにアリーナ付きで新設する方向で動いていた。しかし、建設費総額約400億円のうち、国から2030年冬季五輪のための補助金約180億円も見込まれていたため、札幌市が招致を断念したことで計画変更を余儀なくされた。2月26日に横田CEOと折茂武彦代表(53)が秋元克広市長(68)らと面談。横田CEOは札幌市側から「新規参入の初回審査までには、スケジュール上の基準を満たす進展には至らない」という回答を受けた。
北海道側からは「あらゆる代替案を並行して進めて」
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そこでレバンガは、ライセンス取得の審査基準に適合するため、現在ホームとして使用している道立の札幌・北海きたえーるを一部改修する工事を行うことを北海道へ依頼。横田CEOと札幌市の担当者はこの日、一緒に道庁を訪れた。北海道側からは「まずは改修の可否について検討をして最終的な判断を行いたい。仮にきたえーるの改修が困難になった場合にも備えて、あらゆる代替案を並行して進めていただきたい」との返答を受けた。だが、札幌市内には現時点で5000人以上を収容でき、Bリーグの試合が開催できる施設は他にはない。頼みの綱はこれ1本だ。
費用はクラブが全面的に負担する方針
ライセンス審査書類提出の最終期限は9月末に迫ってきている。すでにBリーグのライセンス担当部署にも相談。もし改修が認められた場合には、費用はクラブが全面的に負担する方針。「他の利用者の支障にならない改修であるということが大前提」と、一般利用者などに極力配慮しながら工事を進め、最大収容人数6000人の2%に当たる120人の収容可能な「スイート・ラウンジ」も設置しなければならないなど、クリアすべき条件を整えて3月末には北海道側へ提出する予定だ。
許可が下りなければ26年は「Bワン」から
仮に許可が出なかった場合は、「Bプレミア」のライセンス取得の道は閉ざされ、一つカテゴリー下の「Bワン」で26年からの新リーグをスタートさせることになる。横田CEOは巨額の費用が予想される改修費用に関しても「経営的なインパクトが最小限に済むような形での資金調達を考えている」と話し、何としても改修案を実現させ、ライセンス取得も実現したい考えだ。
問題は他にも山積
他にも難関は残されている。ライセンス取得には、売り上げ12億円到達と平均4000人の観客動員と残り二つの要件があるが、観客動員のうち約3割が招待客となっているため、将来的にはさらなる観客増が必要不可欠。さらに2月28日に発表された競技に関する新たな6項目によると、サラリーキャップ制の導入がある。「Bプレミア」に所属する1クラブの総人件費は、最低5億円から最高8億円の間に設定される。レバンガに関しては現状で5億円に達しておらず、今後さらなる売り上げ増が必須となってくる。
横田CEO「夢のアリーナを目指していきたい」
トップカテゴリー参入への青写真は大きく変わった。しかし「Bプレミア」参入も、新アリーナ建設も決して諦めていない。将来的に札幌市による新アリーナ建設が実現した場合には本拠地を移転することも視野に入れる。横田CEOは「本当に最高のアリーナで最高のチームが最高の試合をすることを、地元の皆さんにお見せする。ここがまず大前提。できることならば、そういった夢のアリーナを目指していきたい」。ハードルは決して低くはないが、日本最北のBリーグクラブとして、トップリーグ参入は譲れない。