《岩本勉のガン流F論》格の違いを見せつけた投手陣
■春季教育リーグ オイシックス3ー8日本ハム(3月1日、エスコンフィールド北海道)
投手陣が確実に仕事 伊藤の開幕投手にGOサイン
先発、中継ぎ、抑え。それぞれの立場で主力として機能してもらわなきゃ困る面々が確実に仕事をした。まずは先発の伊藤。2回4奪三振の完全投球でしっかりと格の違いを見せつけた。本人は6つ三振を取りにいったはずだ。三振を奪いにいった上で、バットに当てられてもアウトにする。現時点で、開幕投手にGOサインを与えられる内容だった。
投球の幅を広げた道産子右腕
新たなスタイルも見せてくれた。今までの印象はスライダーピッチャー。だが、この日はフォークピッチャー。昨年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でコツをつかんだのだろう。直球も落ちる球も文句の付けようがなく、投手としての幅が広がっていた。
山本拓は上から目線で最高の仕上がり
中継ぎでは山本拓。1イニングを3者連続三振。最高の仕上がりを見せてくれた。良い意味で、上から目線。オイシックスのレベルうんぬんの話ではない。NPBの1軍投手としての姿を見せることは、今季からイースタン・リーグに参入するオイシックスにとっても意義のあることだ。
目を見張ったクローザー最右翼のラストボール
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
そして抑えの田中正。3番手で五回のマウンドに上がり、こちらも1回をパーフェクトの2奪三振。中でも目を見張ったのはラストボール。150キロを超えるストレートで見逃しの3球三振に切って取った。
チームに安心感を与えるのが主力
3人は首脳陣を安心させるだけのピッチングを披露した。主力と期待される選手は、投手だろうが野手だろうが、チームに安心感を与える責任がある。本人たちも、これで気分良く、さらに調子を上げていけるだろう。
近藤健介を彷彿とさせるレイエスのバッティング
野手ではレイエス。またも逆方向の右へ、本塁打を放った。何が素晴らしいって、バットコントロール。カウント2―2と投手有利の中で運んだ。「打つ」のではなく、「打ち返す」というイメージ。首脳陣も「うまいっ!」と、うなったはずだ。投球ボールの軌道にバットを乗せることに優れている。体格は違えど、タイプとしてはソフトバンクの近藤健介を彷彿(ほうふつ)とさせる。打率を残せる可能性は高い。
若手や控えメンバーに求められる強烈なインパクト
万波に1本が出たのも好材料だ。ここからは主力がどんどん実戦に入ってくる。1軍、さらにレギュラーを狙うメンバーは、よっぽど強いインパクトを残さなくては「成長しているね」で終わってしまう。レギュラーをひっくり返すまでには至らない。高卒3年目の有薗が二回に先制タイムリーを記録した。素晴らしい。だが、3安打4安打と、まだまだアピールしていってもらいたい。