離脱者続出で苦難の九州2連戦 鳥栖に4失点した札幌が今季初黒星
■J1第2節 鳥栖4-0札幌(3月2日、佐賀・駅前不動産スタジアム)
負傷で開幕戦からスタメン3人を変更
まさかの大敗で今季初黒星…。北海道コンサドーレ札幌はアウェーで鳥栖と対戦し、大量4失点で完敗した。前半14分、鳥栖のFWマルセロヒアン(21)に先制点を許すと、後半11分にはDF中村桐耶(23)が2枚目のイエローカードを受けて退場。1人少ない状況となった札幌はなす術なく、その後3失点を喫した。福岡戦で負傷者が続出し、第1節からスタメンを3人変更しての一戦だったが、後味の悪い敗戦となった。九州での開幕2連戦で1分1敗と獲得した勝ち点は1。10日に行われる浦和とのホーム開幕戦(札幌ドーム)に向けて、立て直しを図る。
オフサイドかからず先制許す
自分たちのミスから流れを手放した。前半14分、鳥栖のマルセロヒアンが最終ラインを抜け出した。パスが渡る前にDF岡村大八(27)とFW菅大輝(25)がラインを上げてオフサイドを取りにいったが、菅がわずかに残っていて失敗。そのままGKと1対1となり、ゴールネットを揺らされてしまった。
浅野のPK失敗に中村の退場
同34分には相手DFのハンドでPKを獲得するも、キッカーを務めたMF浅野雄也(27)のシュートコースが甘く、相手GK朴一圭(34)に弾かれ、千載一遇の同点機を逃した。1点ビハインドで試合を折り返すと、悪夢が待っていた。後半11分に中村が2度目の警告で退場。流れは一気に鳥栖へと傾いた。1人少ない状況を打破できる力は残っておらず、オウンゴールも含め、後半だけで3失点。そして、2試合連続無得点と攻撃面でも光を見出すことができなかった。
負傷者続出で普段と異なる戦術
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開幕戦でMF宮澤裕樹(34)が右太もも裏の肉離れ、MFスパチョーク(25)は右すねの打撲、試合前にはGK高木駿(34)とMF近藤友喜(22)の負傷離脱が発表された。故障で多くの選手が戦列を離れた札幌は、普段とは異なるマンツーマンディフェンスを敷くことが強いられた。守備の際に2ボランチの1枚を下げることが通例だが、この日の2ボランチはMF荒野拓馬(30)とMF駒井善成(31)という攻撃的な2枚であったため、左WBに入った菅を下げて、MF青木亮太(27)がワイドに張ることで対応した。
岡村「いつもとは違う難しさがあった」
しかし、攻守の上下動が一つの持ち味である菅がポジションを下げたことで左サイドからの攻撃は迫力を欠いた。守備陣を統率する岡村は「いつもとは違う難しさがあったのかな」と振り返る。浅野のPK失敗のみならず、前半36分のコーナーキックから荒野がつないで、自らが放ったシュートも相手GKにセーブされた。岡村は「自分たちで決めきるチャンスで決めきれないところとか、最初の失点の部分のオフサイドラインのところもありましたし、詰めの甘さ(が敗因)かな」と立て続けに決定機を逸したことに唇をかんだ。
審判への苦言
そして、自分たちの内容とは別に、ディフェンスリーダーとして看過できないこともあった。岡村は「きょうはひどかった。あんまり言いたくないですけど」とレフェリーに苦言を呈した。「僕たちのアドバンテージも流されてましたし、(中村)桐耶の退場のところも、審判自身も桐耶が2枚目(のイエローカード)って気付いてなくて。相手選手に言われて2枚目と気付くところとか、J1のレベルに達してないなと感じました」と厳しく言い放った。
ホーム開幕戦で切り替える
最後まで走り、ピッチ場で戦う姿を示した主将の荒野は「しっかりと、いるメンバーで一体感持ってやっていくしかない。何とか勝利に向かって、みんなで一つになってやるしかないので、下を向いている暇はない。次はホームに戻れるので、いい準備をして浦和を迎え撃ちたい」と前を向いた。久しぶりの北海道で今季初勝利を挙げ、立ち込めた暗雲を振り払う。