郡司裕也 待望のオープン戦初安打 個別の応援歌が完成し「いいメロディーライン」と感激
■オープン戦 阪神5ー6日本ハム(3月3日、札幌ドーム)
試合を決める一打 1点ビハインドの七回に2点タイムリー
日本ハムの郡司裕也捕手(26)が「1番・左翼」で先発出場し、1点を追う七回に逆転の2点打を放った。
待望のオープン戦初安打が飛び出し、「めちゃめちゃホッとしました。誰も気付いていないと思うんですけど、オープン戦、まだ打っていなかったので」と笑顔がはじけた。
ポーカーフェースの裏で… 「めちゃめちゃ気にしていました」
勝負強いバッティングが武器の男が、人知れず〝プチスランプ〟に陥っていた。前日までオープン戦3試合でノーヒット。「打っていますという顔だけはしていた」と平静を装っていたが、「めちゃめちゃ気にしていましたし、1本早く欲しいなという焦りで、どんどん変になっていく。悪循環だった」と追い詰められていた。
新庄監督だけはお見通し 采配ビタリ
この日も六回まで3打席凡退。「きょう初ヒットと言ったらみんな、マジで?という感じだった」と同僚には状態の悪さがバレていなかったが、新庄監督はお見通しだった。「結果はいいとして、ちょっと良くないなと思っていた。ポジションが変わることで意識も変わって、打席の雰囲気も変わってくる。レフトで1本出てくれたらいいな」と、あえて慣れない守備位置で起用してくれた。
伝わった指揮官の思い 「意気に感じてやらせていただきました」
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そんな期待に応えて見せた。「あの3打席で代えずに、最後まで使ってくれたので意気に感じてやらせていただきました」。1点差に詰め寄った七回2死二、三塁。カウント2ー2から変化球を捉え、右前へポトリと落とした。
「足を早く上げてタイミングをゆったり取ろうと思ったので、それが良かったです。勝負強さは抽象的なものなので、結果を出すしか評価されない。ああいう場面で打ててホッとしました」と胸をなでおろした。
待ちに待った個別の応援歌 モチベーション上昇
発奮材料もあった。昨年6月に中日からトレードで加入。移籍2年目にして、個別の応援歌ができた。ノリのいい親しみやすい曲調となっており、「きのう、友達から送られてきて、初めて聞きました。いいメロディーラインですよね。めちゃめちゃうれしいです」と大感激した。
早速、札幌ドームで演奏されたが、一回の第1打席は曲が流れる前に初球を打って三ゴロ。「一打席目は聞こうと思ったんですけど、初球で打っちゃったので…。いいメロディーの応援歌ができてありがたいです。みんなで盛り上がっていただければ、うれしいです」と願った。
複数ポジションに挑戦中 「もう全員がライバル」
本職の捕手のほか、一塁と左翼、春季キャンプからは三塁にも挑戦している。「僕の場合はポジションがいっぱいあって誰がライバルか分からないですけど、もう全員がライバルだと思って、いい競争の中でやれています。外野も内野もキャッチャーも右バッターもいろんなライバルがいます」
熾烈(しれつ)な争いを勝ち抜き、キャッチーなメロディーを球場にこだまさせる。