《岩本勉のガン流F論》随所に見られた新庄流の〝あおり〟采配
■オープン戦 西武1-7日本ハム(3月7日、鎌ケ谷スタジアム)
順調そのものの開幕投手 あとは微調整
開幕投手に決まっている伊藤が3回を投げて3安打無失点。得点圏に走者を背負う場面こそあったが、何も語る必要はない。前回(1日のオイシックス戦、2回完全)を含めて、開幕戦、シーズンインに向けた調整は順調そのもので、あとは微調整のみだろう。残り3週間ほどで、より自分を納得させてもらいたい。
ピッチングとは何か 打者を仕留めにいくことこそが投球
一方で、アピールが必要な生田目や北浦に言いたい。ピッチングとは何か。打者を仕留めにいくことこそが投球である。それを肝に銘じてほしい。生田目は対戦した4打者すべてに対してボール球から入った。元山には1ボールからの2球目を右翼スタンドまで運ばれた。すべてが後手後手だった。ハイレベルな競争に割って入ろうとしている立場。勝負球から入るぐらいの気概が必要だ。
持ち味を発揮した野手陣 松本剛は「さすが」
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打線に関しては、「持ち味」がキーワードになった。主力として期待される面々が、それぞれ特長を生かしたプレーを発揮した。まずは松本剛。2本のライト前は実に見事だった。三回の2本目はタイムリー。きっちりと狙い澄まして逆方向へと持っていった。さすが、と言いたい。これだけ高い技術があり、何でもできる選手。「2番・松本剛」も面白い。
決定打を期待されているマルティネス
マルティネスは、やはり打点を稼いでナンボ。三回無死満塁の先制機で、左中間を破る2点二塁打を放って見せた。レイエスも適時打1本と四球。主軸の仕事をする中で、特に四回は追い込まれてから、しっかりと変化球を見極めた。左前へはじき返したタイムリーも変化球だった。
スティーブンソンと水野が見せた「欲」
そしてスティーブンソン。八回2死一塁で右中間を破り、ヘッドスライディングで三塁に到達した。あらゆる「欲」を持った選手だろう。次の塁を狙う姿勢のみならず、出場に対する欲求も相当なはず。3安打をマークしたものの、三回の第2打席は捕手への内野安打。交代を促されたが、フル出場を直訴したのかもしれない。それだけ欲を持っている選手に思えるし、トータル5打席で見せたインパクトは大きかった。
水野に関しても同様だ。2安打2打点を記録。遊撃のポジションを争う上川畑が負傷離脱している。水野にとってはチャンス。絶対に代わりたくないとの思いがあったに違いない。スティーブンソンにしても、出場に対する欲を前面に押し出してくるプレーヤーは当然、応援したくなる。
レギュラー争いをさらに熱くさせる新庄監督のタクト
試合を通じて、新庄流の〝あおり〟も随所に見られた。スコアブックは物語る。郡司に代えて野村。浅間に代えて江越。松本剛に代えて五十幡。同じ位置を狙う選手をことごとく交代選手として投入した。まだまだギラギラしたレギュラー争いは続く。