《荒木大輔のズバリ解投》150キロ超えが当たり前の現プロ野球 好投のカギは変化球
■オープン戦 日本ハム4ー4DeNA(3月8日、横浜スタジアム)
幸先の良いスタートを切った北山だったが…
この日に限っては、投手陣で明暗が分かれた。先発の北山は一回を3者凡退と幸先の良いスタートを切ったが、二回以降は制球に苦しんだ。5四球が絡んでの4安打3失点。要因は決めどころでの変化球の出来にある。高めに抜けるストレートに関しては気にする必要はない。むしろ、北山にとっては持ち味の一つになっている。
ストレートを生かす変化球の精度
その持ち味を生かせなかったのは変化球に問題があったからだ。カーブにしろ、チェンジアップにしろ、決めどころで低めに投げられていれば、高めの直球は、より効果的になった。一回、3番の梶原を空振り三振に仕留めたチェンジアップ。二回、7番の大和を空振り三振に切って取ったカーブはいずれも見事だった。ただ、その後は精彩を欠いた。
ライバル多数 再アピールに期待
スタミナの問題なのか。近くにいないので、何とも言えないのだが、前回までの実戦登板は素晴らしかった。課題をクリアし、再びアピールを続けてもらいたい。上原や根本、金村らと先発枠を争っている。一度の〝失敗〟で評価が一気に下がるということはないだろうが、早く挽回しなければいけない立場にあるのは間違いない。
進化し続けるプロ野球 スピードだけでは抑えられない
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そしてザバラ。ボールの強さは評判通り。スピードもある。だが、こちらもやはり、変化球がカギだ。変化球でストライクが取れれば、スピードのある直球は生きるし、三振も奪える。現在のプロ野球。150キロ超えは当たり前。バッターも対応してくる。いかに変化球でカウントを稼げるかで、結果は大きく変わってくる。
変化球を巧みに織り交ぜた北浦
一方、変化球を巧みに操れていたのが北浦。打者が打ち気になっているタイミングで、スライダーやツーシームと、変化球をうまく投げ分けられていた。去年のシーズン中から今春のキャンプと、日ごとに自信を付けている。楽しみなピッチャーの一人だ。
各ポジションで競争激化の野手陣
野手陣は皆、緊張感を持ってプレーできている。それぞれの立場で、競争が繰り広げられているのが大きい。4番に入った野村は三塁のポジションを狙っている。気持ちが出ているし、結果も付いてきている。チームを引っ張ろうとする気概も見える。本職は捕手ながら、三塁での出場も多くなっている郡司は少々、調子を崩しているように見える。首脳陣も期待している。何とか気持ちを切り替えてもらいたい。
求められるのは内容を含めた結果
今川や浅間は1軍入りを目指している。皆、必死だ。それは当然のこと。その上で、内容を含めた結果が求められる。熾烈(しれつ)なポジション争い。開幕してからも続いていくことだろう。