山本拓実 寒さに負けず自己最速更新の155キロ 球速アップの理由はー
■オープン戦 日本ハム4ー4DeNA(3月8日、横浜スタジアム)
八回に5番手で登板 「自分でもびっくり」のピッチング
日本ハムの山本拓実投手(24)が8日、横浜スタジアムで行われたDeNAとのオープン戦で救援登板し、自己最速を2キロ更新する155キロを3度、マークした。
気温10度を下回る寒さも影響はなし。「投げていて自分でもびっくりしていた」と振り返った剛球で、首脳陣に猛アピールした。
ピンチにも動じず 2奪三振で1回1安打無失点
早朝、雪が降っていた横浜。同点の八回、マウンドに上がった山本拓は躍動感たっぷりに腕を振った。最初に対戦した京田は最速更新となる155キロの直球で空振り三振。3人目の林に対して2球、155キロを計測した。
2死から安打と四球で一、二塁のピンチこそ招いたが、三振で切り抜けて1回無失点。インパクト十分のパフォーマンスだった。
オフのフォーム改良が奏功 自然体で納得の投球
全力で飛ばしている感覚はなかった。「オフシーズンにフォームを変えたので、去年とは感覚が全然、違うんですけど、いい感じで投げられていた。めちゃくちゃ力んで投げていたというよりは、むしろ155キロが出た後の方が力んでいたので(笑)。そこはいいメカニックで投げられたのかな」と自然体を強調し、表情を緩めた。
狙い通りの球速アップ 力が伝わる右足の使い方
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球速アップは、オフの最重要テーマだった。取り組みは多岐にわたったが、特に意識したのは、軸足となる右足の使い方、プレートの使い方だ。昨季までは、つま先の右部分だけをプレートに付け、かかとは離して投げていた。そこに改善の余地があった。
「よく軸足で蹴って投げると言うんですけど、僕はその感覚がなかった。(プレートを踏む時に)右足がバッターに対して垂直というより、30度ぐらい曲げている方が投げやすかったんですけど、そうすると、膝が割れて力が逃げてしまう。トレーナーの方とも話し合って、今年のオフはプレートにかかとを付けて投げても違和感がないような体づくり、フォームづくりをしていこうと話して。それがすごくいい感じで身に付いているのかなと。より力の伝達がうまくいっている結果かな」と自信をのぞかせた。
リスクを冒してまでも選んだチャレンジ
フォームを変えることが、マイナスに作用するリスクもあったが、あえて挑戦した。10月、11月は投球練習をほぼ行わず、新しい体の動かし方を身に付けるためのメニューに集中。12月から再開した投球練習でも軸足の矯正に主眼を置き、反復することで、なじませてきた。
まだまだ伸び盛りの小さな巨人 「もっと信頼されるように」
最速、平均球速が上がったことで、変化球の使い方、配球も変わってくる。引き出しが増えれば当然、捕手もリードしやすい。「リリーフでどうしても出力が必要な場面、力でいかなければいけない場面が出てくる。もっと幅を広げたいと思いますし、もっと信頼されるように取り組みたい」
向上心旺盛な167センチ右腕は、加速度的に進化していく。