五十幡が絶妙走塁で好機拡大 野球勘磨き「チームの攻撃の幅を広げられる選手になりたい」
■オープン戦 日本ハム3-3楽天(3月9日、静岡・草薙総合運動場硬式野球場)
球界屈指のスピードスター
日本ハムの五十幡亮汰外野手(25)が9日、静岡・草薙球場で行われた楽天とのオープン戦に途中出場。相手守備の間隙を突く絶妙な走塁で、チャンスを拡大した。球界屈指のスピードスターは持ち味を生かし、激化する外野のポジション争いに割って入る。
六回1死、センターフライで二塁へタッチアップ
フィールドに立ち、すぐさま見せ場をつくった。出番は六回1死。松本剛が中前打を放つと、代走を告げられた。次打者・野村が放った中堅後方への飛球に「ジェイ(野村)の打球は良い当たりで、これは狙えるんじゃないか? と思いました」と、とっさのひらめき。果敢にタッチアップを試み、間一髪のタイミングで二塁を陥れた。
打球の質や強さを見て勝算
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勝算があるからこそ積極策に打って出た。「1アウトはハーフウェーが優先だけど、打球の質や強さを見て判断しました。(中堅手の田中)和基さんの足なら捕れるところ。肩が強いのでギリギリのタイミングかと思ったけど、結果として良かったです」と、的確に落下地点を読むことで好走塁につなげてみせた。
引き返すことも選択肢
暴走と好走塁は紙一重。積極性が裏目に出ないよう、細心の注意を払ってスタートを切っていた。「捕球体勢や返球を確認して、ガッと行った中で止められることも大事。(タイミングが)厳しいなと感じたら、引き返そうと思っていた」と選択肢を残し、リスクを最小限に抑えながら好機を広げた。
失敗を糧に
猪突猛進なプレースタイルからの脱却を目指している。異次元のスピードを誇る一方で、プレーの予測や選択、状況判断を課題としていた。昨年7月の試合では1点ビハインドの九回無死一、二塁で一塁からタッチアップを試み、失敗。痛恨の走塁ミスで、逆転への流れを途切れさせたこともある。
打つこと以外にも課題
数々の苦い経験を糧に、攻撃陣をけん引する力を身に付けてみせる。「自分の課題は打つこともそうだけど、野球勘です。チームの攻撃の幅を広げられる選手になりたいので、視野や野球勘を磨いていきたい」。本能のまま突き進んだ過去と決別し、クールな思考で定位置争いに食らいつく。
「まだまだ諦めたわけではない」
ライバルは強者ぞろいだ。万波はレギュラーが確約されており、松本剛やスティーブンソン、浅間もバットで結果を残し続けている。与えられるチャンスが決して多くはないことを自覚し、五十幡は決意を口にする。
「今は外野手の皆さんがすごく打っている。良いところで代走に使ってもらっているけど、やっぱり打たないとレギュラーは取れない。まだまだ諦めたわけではないので、途中から出る中でもアピールして、スタメンで出られるように1打席、1打席を大事にしたいです」
唯一無二の才能を生かすため、チャレンジは続く。