郡司裕也 衝撃の言葉に発奮「100%冗談ですけど、監督から『きょう打てなかったらトレードね』って」
■オープン戦 日本ハム3ー9楽天(3月10日、静岡・草薙総合運動場硬式野球場)
三回の第2打席でツーベース 出場3試合ぶりのヒット
日本ハムの郡司裕也捕手(26)が10日、静岡で行われた楽天とのオープン戦に「2番・一塁」で出場。三回の第2打席で左越え二塁打を放ち、出場3試合ぶりの快音を響かせた。〝プチスランプ〟に陥っていた巧打者が、復調の確かなきっかけをつかんだ。
オープン戦通算19打数2安打
打率・105。勝負強い打撃を武器とする背番号30が、望む数字とはほど遠い。春季キャンプの初実戦だった紅白戦から順調に安打を重ねてきたが、2月下旬のオープン戦を迎えてからHランプがともらなくなった。
気丈な振る舞いを見せても、内心は穏やかでない。心の隅には焦りに似た感情があった。試合後は開口一番に「ほっとしました…」と率直な思いを言葉に乗せた。
効果てきめん! 新庄流のゲキ
かけられた衝撃的なフレーズが、ハートに火をつけてくれた。郡司は、その内幕を「100%冗談ですけど、試合前に新庄監督から『きょう打てなかったらトレードね。ワハハハ』って言われたんですよ。ハッパをかけられましたけど(トレードは)なくなりました!」と苦笑交じりに明かした。
指揮官の言葉にベンチは大盛り上がり
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安打は3日の阪神戦以来1週間ぶり。塁上で安堵感に浸る本人をよそに、ベンチ内の一角は盛り上がっていた。
「打った瞬間に監督は『あ~っ! 打った!』って言ってたらしいです。完全に〝おふざけ〟されてますよね(笑)。ただ、打てて本当に良かったです」と、気持ち良くゲームへ送り出してくれた指揮官に心から感謝した。
首脳陣の期待は重々承知
打てない中でも上位打線で起用されるのは、これ以上ない信頼の表れだ。
「調子は全然、良くなかったけど、こうやって打席を与えてくださって、なんとか調子を上向きにさせようとしてくれる。ありがたく感じながら、開幕までに調子を上げられるように頑張ります」。魔法の言葉とオーダーに込められた意味を胸に刻み、1打席に全力を注ぎ込む。
ファイターズ2年目 パワーアップを実感
パワーアップを誓う今季は、長打量産を目指している。オフから取り組んだトレーニングの成果は上々で、キャンプ中に測定した平均打球速度は、外国人選手を除けば万波、野村に次ぐ順位。ロングヒットを期待できる能力を、着実に身に付けている。
本領発揮へ再出発 「これからどんどん(状態を)上げていく」
この試合の強烈な一打を振り返り、「ポジティブに捉えて、これからどんどん(状態を)上げていきます」と力強く言い切った。
どこまでも爽やかな男には、快音と笑顔がよく似合う。