ホーム開幕もクラブワーストタイ記録で〝春〟来ず 札幌FW鈴木武蔵「アイデアや個人で打開できないと」
■J1第3節 札幌0-1浦和(3月10日、札幌ドーム)
開幕から3試合ノーゴールはJ2時代の2011年以来
待ちに待ったホーム開幕戦だったが北海道コンサドーレ札幌のゴール、そして勝利という〝春〟は訪れなかった。開幕から3試合連続での無得点はJ2時代の2011年に並ぶクラブワーストタイ記録となってしまった。
各シーズンのチーム得点王が先発
札幌は今季4シーズンぶりに復帰を果たした19年のチーム得点王・FW鈴木武蔵(30)が満を持して今季初先発。左シャドーには前節の鳥栖戦を欠場した昨季7得点のMFスパチョーク(25)が復帰し、右ウイングバック(WB)には昨年のチーム得点王・MF浅野雄也(27)、左WBには一昨年のチーム得点王・MF青木亮太(28)が配置されるなど、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)が掲げる超攻撃的サッカーを繰り広げるだけのタレントは揃っていたはずだった。
ゴール前に人数はかけていても
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だが攻撃の連係がうまく噛み合わない。ボールを保持して浦和のペナルティーエリア手前までは攻め込むものの、パスミスや相手の厳しいチェックを受けてボールを失ってしまい、なかなか相手ゴールへと迫ることができない。試合終盤は選手交代からリズムをつくるも、結局ゴールネットを揺らせないまま終了のホイッスルは鳴った。ホーム開幕戦で三度繰り返された無得点ゲームに、鈴木は「後半相手を押し込めていた点は良かったけど、(攻撃に)人数をかけていた中で、もう少しアイデアだったり、個人で打開できないと難しい」と反省の弁を口にする。
DFライン裏への動き見られず
鈴木が前線でくさびのパスを受けてキープするものの、チームメートが追い越してディフェンスライン裏へ抜け出す動きが見られず、耐えかねて相手DFにつぶされてしまうシーンが何度も繰り返された。自身が得意とする裏抜けもほとんど披露できず、フル出場こそ果たしたもののシュート0本という結果に終わってしまった。「(シュートを)撃てるシーンも無かった。もっと個人で打開していっても良かった」と責任を痛感する。
数少ないFWの3人が別メニュー
今季の札幌には5人のFW登録選手がいるが、主に左サイドで起用されているFW菅大輝(25)を除く4人中3人が現在別メニュー調整中。この日のベンチメンバーにもFW登録の選手が不在という苦しい状況に陥っている。次節の相手である町田は3試合を終えて2勝1分と未だ無敗。失点数もわずか1で、初挑戦であるJ1の舞台で現在2位タイにつけるなど絶好調だ。
形を少し崩して攻め込むのも必要
「町田戦もすごく難しいタフな試合になる」。警戒する難敵からゴール、そして勝利という結果をつかみ取るには鈴木の活躍が必要不可欠だ。「やり方は変えないでいいと思いますけど、今の形の中でも個人でアクセントを加えたり、形を少し崩して攻め込むシーンも必要」。下位3チームがJ2へ自動降格する今季、これ以上の出遅れは致命傷にもなりかねない。帰ってきた古巣のピンチを救うため、鈴木が覚悟を持って町田戦へと臨む。