■３月１４日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場

今季無得点の現状を打破するのは…

　北海道コンサドーレ札幌は１６日の町田戦（札幌ドーム）に向けてミーティングを行ったのち、攻撃練習や１１対１１などを行って調整した。３試合を終えて１分２敗、いまだ無得点と悩める札幌の現状を、昨季のチーム得点王・ＭＦ浅野雄也（２７）が打破し、待望の今季初勝利をもたらす。

妻の手料理に癒やされ「やっぱりいいっすね」

　約２カ月間に及んだ長いキャンプを終え、ようやく今週からホームグラウンド・宮の沢での練習がスタート。「帰ってきたって感じがしますね」と語る浅野。久しぶりに家族と暮らす日々が戻ってきた。心待ちにしていた妻の手料理に舌鼓を打ち「やっぱりいいっすね。これ、記事に大きく書いておいてください（笑）」と報道陣を笑わせるなど、心身共にリラックスした状態でトレーニングに臨むことができている。

１０日浦和戦は右ウイングバックで先発出場

　今季初勝利が期待された１０日のホーム開幕・浦和戦。だが札幌は一瞬の隙を突かれて先制され、最後まで攻撃の歯車が噛み合わず、３試合連続となる無得点のままタイムアップ。浅野は右ウイングバックとして先発出場したものの、シュートを撃てないまま後半２６分でピッチを退いた。悔しい一戦を振り返り「シンプルに背後の（スペースを突く）回数とか、攻撃の回数が少なかったと思います」と、敗因を分析する。

「シャドーで点を取れる感覚ある」

　打開策のひとつになりそうなのが、次節の浅野の起用法だ。この日行われた１１対１１では昨季の主戦場だった右シャドーの位置でプレーした。「シャドーは自由に背後に抜けられたり、結構（中村）桐耶とも目が合うので、自分の中ではシャドーで点を取れる感覚はありますね」。その予感を裏付けるのが、昨季のリーグ戦１２得点のうち１１得点を同位置での出場でマークしているという事実だろう。「自分の特長もそうですし、チームとしても攻撃してナンボのところがあるので、攻撃の回数をもっと増やして、得点の確率をどんどん上げていきたいと思います」。得意ポジションに入った浅野が相手ディフェンスラインに圧力を与えることができれば、待望のゴールシーンが生まれる瞬間は遠くはないはずだ。

札幌の攻撃サッカー復活だ

　多くの札幌サポーターが勝利に飢えている。もちろん選手たちも気持ちは同じだ。「やっぱり初勝利というのが大事だと思いますし、それは自分たちもそうなので。まずはしっかり勝って、その中でいい試合をしていきたいと思います」。好調・町田を迎える今季札幌ドーム２試合目。クラブがこの試合で掲げているスローガン通りに〝攻め勝つ〟べく、浅野が前線を活性化させて、札幌の攻撃的サッカーを復活させる。