細川 初の開幕1軍へ猛アピール「レギュラーを獲りに行く、その気持ちを大切にしている」
■オープン戦 広島4-4日本ハム(3月14日、エスコンフィールド北海道)
「9番・遊撃」で2安打1四球
日本ハムの細川凌平内野手(21)が14日、エスコンフィールド北海道で行われた広島とのオープン戦に「9番・遊撃」で出場。1、2打席目に安打を連ねると、七回無死満塁の好機では押し出しの四球を選び、逆転劇に貢献した。初の開幕1軍メンバー入りを狙う新進気鋭の若手が、貴重なチャンスをものにした。
追い込まれてからも焦らず
フレッシュな力が躍動した。2本の安打はいずれも左投手から。どちらも2ストライクと追い込まれた状況で、粘り強くボールに食らいついた。中身の濃い打席を「追い込まれてからも焦らず、うまく対応できたと思います。三振するよりは、前に飛ばして。きょうみたいに内野安打が出て、相手がミスしてくれたら一気に得点圏までいける。何らかの可能性がある打席にしていきたい」と振り返り、爽やかに汗を拭った。
サヨナラ機を演出する犠打も
チャンスメークに徹した4打席には、高い価値がある。中でも最終打席の九回無死二塁からサヨナラ機を演出した犠打は、強心臓ぶりが発揮された。「代走に五十幡さんが出てきた時に、何でもできるコンビだなと思っていた。(サインは)何が出てもいいように心の準備をしていたので、プレッシャーを感じることもなく、決められたかな」と納得の表情だ。
内外野7つのポジションこなし
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オープン戦を通して打率は1割台と本意ではないが、チームへの貢献度は高い。内外野の7ポジションをハイレベルにこなし、勝負どころの代走も託すことができる。そのユーティリティー性を首脳陣は重宝し、新庄監督は「細川くんみたいなプレーヤーは、1つのポジションを守る選手より、給料査定を上げてくださいと球団の方にお願いしたい。それぐらいのプレーをしてくれている」と、最上級の言葉で称える。
先輩選手に負けないスピード
遊撃には堅守の上川畑、パンチ力のある水野がおり、二塁にも加藤豪や石井ら経験ある選手たちがいる。二遊間を争うライバルたちの壁は厚いが、細川には先輩選手に負けないスピードという武器がある。
オフは肉体改造も体脂肪率キープ
オフ期間にはパワーアップを図り約3キロの増量に成功しながら、体脂肪率は1桁台をキープ。より強く、より速い動きを可能にする体をつくり、レギュラー争いに挑んでいる。「きょうみたいにスチールを決めたり、そういう部分が増えていくといい。スタメンで出たら盗塁をするチャンスも増える。代走でいくにしても武器になる。そいういう部分を生かしていきたいなと思います」と、突出した走力で定位置獲得を目指す。
「どこでも守れるのは自分の特長。それがチームの勝利のピースにはまるのであれば、やる覚悟はある。誰もができることではないので、こだわりを持って、全ポジション完璧にできるようレベルアップしたい。もちろんレギュラーを獲りにいくのを諦めたわけではないし、その気持ちを大切にしています」
才能あふれる背番号56が、開幕スタメンのダークホースだ。