イエスタが参入5年目で悲願のV2初優勝 浜崎監督「新たな歴史をつくることができた」
■Vリーグ男子2部 北海道イエロースターズ3-0トヨタ自動車サンホークス(3月16日、函館アリーナ)
OH陣が躍動!函館で決めた!
歓喜のV2制覇―。北海道イエロースターズがトヨタ自動車サンホークスにストレート勝利し、リーグ優勝を決めた。陳建禎(34)が18得点、郡浩也(28)が14得点、山田滉太(26)が12得点とアウトサイドヒッター(OH)陣が躍動し、相手を寄せ付けなかった。
21勝4敗でのV2優勝。2019年にVリーグへと参入し、今季で5年目を迎えたイエスタ。V3から着実に階段を上がり、昨季はV2で3位。チーム名を変更して新体制となった節目のシーズンで、ついにV2の頂点にたどり着いた。
地元ファンの後押しで3-0快勝
「優勝マジック1」として迎えた函館でのホームゲームは、地元ファンの声援にも後押しされ、序盤から相手を圧倒した。1セット目を25-11で奪うと、2セット目も25-21。そして3セット目は25-15と大差を付けた。
ストレート勝利でV2優勝を決め、浜崎勇矢監督(36)は「今シーズンラストのホームゲームで優勝を決める事ができて嬉しく思います。沢山の皆様の支えがあってここまで来る事ができました。本当に感謝しております。 我々、北海道イエロースターズの新たな歴史をつくる事ができました」と喜んだ。
昨季はV2で過去最高の3位
年を重ねるごとにチームは成長していった。昨季はリーグ屈指の攻撃力で過去最高のV2リーグ3位と入れ替え戦にあと一歩まで迫った。今季から就任した浜崎監督は守備強化に着手。シーズン序盤はチームの成熟度が低かったこともあり苦戦を強いられたが、試合を重ねるごとに安定感は増していった。
シーズン前半は郡の不在を山田が埋めた
大分三好から加入した山田の存在も大きかった。特に前半戦は得点源の郡がシーズン前に行った右膝手術の影響で戦列を離れており、山田がその穴を埋める活躍ぶりでチームを支えた。攻守に優れた万能型アタッカーは「良くない時に助けてくれるチームメートに巡り合えたことが大きかったです」と振り返った。
郡「得点と盛り上げが必要と感じていた」
そして年明けから郡が本格的に復帰すると、チームの勢いは加速。2024年に入ってからは16勝1敗と、一気にゴールテープまで突っ走った。復帰後、中心選手として期待に応えた郡は「復帰したら絶対活躍することをイメージしながらチームを冷静に見てきましたが、僕が得点を決めることと盛り上げることが必要だと感じていましたし、それをしっかり遂行できたと思います」。
経営体制も強化 W代表制に9人の取締役
チームのみならず、経営体制の強化も併行して進めてきた。19年から三木智弘氏(27)が代表となって成長を重ねてきたが、22年10月に平野龍一氏(42)が加わる共同代表制に。昨年はさらに道内外の企業から9人の取締役が加わり、基盤は強固なものとなった。札幌の株式会社どんぐりが冠パートナーを務めるなど地元との結びつきは強くなり、平均観客動員数はリーグトップを誇るまでになった。
来季はSVリーグ新設 審査が通れば最高峰の舞台へ
名実ともにV2のトップに上り詰めた。来季からリーグは一新され、SVリーグが新設される。イエスタも申請済みで無事に審査が通ると、トップクラスの選手が集う最高峰の舞台で戦うこととなる。昨季圧倒的な力でV2を優勝し、今季からV1に参戦しているヴォレアス北海道が3勝32敗(16日時点)と苦戦するように、険しい道のりとなることは間違いない。浜崎監督が「ここがスタート地点です。更なる成長を目指して戦っていきます」と話すように、V2優勝は通過点の一つ。イエスタ史上最大の挑戦が始まる。
■今季から主将に就任し、優勝に導いたOH小森郁己(28)
「自分が北海道に来て初めてキャプテンをやらせてもらい、すごいプレッシャーの中でやっていて、一人一人に助けてもらい、こうして優勝という結果につながって良かったです。自分はあまりしゃべるのが得意ではなくて、負けた時に次に切り替えようと言っていたくらいですが、(開幕直後の連敗から)そこを乗り越えられたことが良かったです」