札幌の高卒ルーキーMF原康介がプロ初ゴール&チーム今季1号「決めた後のゴール裏の歓声は…」
■J1第4節 札幌1-2町田(3月16日、札幌ドーム)
クラブ史上2番目に若い18歳226日 高卒新人のシーズン1号はJ昇格後初
途中出場の高卒ルーキーMF原康介(18)が0-2の後半39分にプロ初ゴールを決め、開幕4戦目でチーム第1号をマークした。18歳226日での初ゴールは、J1ではクラブ史上2番目。高卒ルーキーがシーズン1号を奪ったのは、JFL時代の1996年の吉原宏太以来で、Jリーグ昇格後では初めて。試合には敗れたが、期待の新人があいさつ代わりの一発を叩き込んだ。
敗色ムードから追い上げムードに
ルーキーが敗色ムードを吹き飛ばした。後半39分、中盤でボールを奪ったDF中村桐耶(23)がペナルティーエリア右に走り込んだ原にパス。一度は相手にクリアされたが、こぼれ球を拾ったDF馬場晴也(22)からのパスに再び相手DFの背後へ走り込み、迷いなく右足を振り抜くと、GK右のニアサイドを打ち抜いた。
足を振るのは出場前から決めていた
「ゴールは最初見えなかったけど、足を振ろうっていうのは出る前から決めていた。いい形で入って良かった。決めた後のゴール裏の歓声はすごい気持ち良くて率直にうれしい。高揚感とか、今までに経験したことのないものがありました」。ゴール裏で歓喜するサポーターに向かって右腕を突き上げ、喜びを分かち合った。
公式戦初の右サイド出場も練習では
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心も体も準備はできていた。後半22分にMF浅野雄也(27)に代わって右WBへ。主に左サイドが得意で、前々節の鳥栖戦、前節の浦和戦では途中出場で左WBに入ったが、沖縄と熊本のキャンプ中や、前々日の紅白戦でも右サイドで起用されていた。「公式戦では初めての右の出場だったので、その中でポジショニングをしっかりしようっていう意識で入りましました」。
後半27分には決定的なパスも演出
5分後の同27分には、MF駒井善成(31)がエリア内左から上げたクロスに、右サイドから走り込んでジャンプしながら右足で折り返し、中央のMF小林祐希(31)へラストパス。「仕掛けは左の方がやりやすいけど、クロスや動き出しは右の方がやりやすい部分はあるので、そこは良かった」。小林の右足シュートは枠を外れたがスタジアムを沸かせ、追い上げムードをつくった。
クラブのJ1最年少得点は新居の18歳119日
記録ずくめのゴールに今後の期待は高まる一方だ。札幌のJ1最年少記録は2002年4月20日の鹿島戦(函館)で0-2の後半37分に決めたFW新居辰基の18歳119日。原はデビュー3試合目での結果に「ピッチに出たら若さは関係ない。それでも記録に残るゴールが取れて良かったです。こんだけ早く結果が出るとは思ってなかったので、すごいうれしいです」。
先発出場にはまだまだ改善点
次に狙うはスタメン起用。「もっと戦う部分は大事。戦術的なところは、ワイドを取る動きだったりオフ(ザボール)の動きは、まだまだ改善していかないといけない」。中断期間を経て行われる2週後のアウェー神戸戦へ向けて、首脳陣の信頼を勝ち取るために課題克服に努める。
「僕が決めて勝てれば一番いい」
チームは初勝利を逃しただけに喜びは一瞬だけ。「3節まで無得点が続いていたけど、チームも1点目が入ったらこれからどんどん入ると思う。その第1号ゴールになれたのはすごいうれしい。まだチームが勝利から遠ざかっているので、僕が決めて勝てれば一番いい状況なのかな」。この日の敗戦で最下位に落ちたが、まだシーズンは序盤。期待の大物ルーキーが巻き返しへの起爆剤となる。