札幌が4123日ぶりJ1最下位へ転落…FW鈴木武蔵「最初から僕らの攻撃的サッカーができないと」
■J1第4節 札幌1-2町田(3月16日、札幌ドーム)
開幕4戦勝ちなしの1分3敗
この日の敗戦で開幕から4戦勝利無しとなった北海道コンサドーレ札幌が、2012年12月1日以来4123日となるJ1最下位へと転落した。2点ビハインドの後半39分には高卒ルーキーのMF原康介(18)が今季のチーム初得点となるプロ初ゴールを決めたが、反撃及ばず痛恨の3連敗。勝利した町田がJ1初挑戦ながら暫定首位に浮上した一方、札幌は最下位に落ちるなど、互いの明暗が大きく分かれる一戦になった。MF荒野拓馬主将(30)はこの現状に「残念です」と言葉少なに心境を吐露した。
ボール持ちつつも相手を崩せず
長いキャンプを終えてようやくホームタウンに腰を据えられるようになった効果もあってか、前半の札幌は出足鋭くセカンドボールを奪取し、ボールを保持するシーンを多く生み出す。だがこの試合の開始時に未だノーゴールという悩める攻撃陣は、ボールを持ちつつも、昨年まで繰り広げたような小刻みなパス交換での相手守備陣を崩すシーンをなかなかつくり出せない。
一つ一つの判断の躊躇
前節に続き2試合連続で1トップとして先発したFW鈴木武蔵(30)が「勝ちが無いし、苦しい戦いが続いている中で、思い切って前に出られないとか、思い切って(DFライン)背後へのパスを出せないとか、そういった1個1個の選択肢の躊躇だったり、そういうのがある」と攻撃陣の心情を代弁するように、前半のシュートはFW菅大輝(25)のミドルシュート2本のみに終わり、相手ゴールを脅かす場面はほぼ皆無だった。
後半8分、21分に失点
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攻撃陣の奮起を信じ、長身選手を前線に並べてあらゆる手段でボールを放り込む町田の執拗な攻撃に耐えてきた守備陣だったが、後半8分にゴール前でフリーでシュートを撃たれて先制を許してしまうと、同21分にも相手の右CKから追加点を献上。途中交代で入った原のゴールで勢いを取り戻したものの、反撃及ばず前節に続く1点差での敗戦に終わった。
失点してからではなく最初から
後半だけで3本のシュートを放った鈴木は、「失点したら失うものは無いと思ってどんどん出て行けるけど、それを僕らの攻撃的サッカーでは最初からできないといけない」と自身も含めたチーム全体の攻撃意識を猛省した。
2週間の中断期間で立て直しへ
来週の国際Aマッチデーに合わせてJ1リーグは一時中断。次節のアウェー神戸戦(30日、ノエスタ)までは2週間空く形となる。ケガ人の多発に悩まされてきた札幌だったが、DF髙尾瑠(27)とFW出間思努(18)は既に全体練習に部分合流しており、完全合流が目前に。開幕直前の練習試合で負傷したFW大森真吾(23)も早ければ来週中に全体練習に合流できる見通しで、チームの態勢を立て直すためにも大事な中断期間となる。
次が最後の試合ぐらい気合入れて
荒野主将は「勝つためにどうしていかないといけないのか考えて。本当にちょっとしたことだと思うので、そういったところをつかめるよう、もう一回まとまってやっていきたい」とチーム一丸となってこの難局に立ち向かうことを誓えば、鈴木も「気持ちの面で自分たちがダメと思い込むのも良くないし、いま降格圏にいる中で、次の試合が最後の試合になるぐらい気合を入れていかないと厳しいと思うので。その危機感を持って中断期間のトレーニングを常にやっていかないと」と、前年王者・神戸を撃破しての現状打開に闘志を燃やす。
12年、22年も序盤に低迷
J1での開幕4戦勝ち無しは12年(1分3敗)、22年(4分)に続きクラブ史上3度目の出来事。12年はそのまま低迷して最下位でJ2降格、22年は終盤の盛り返しで10位フィニッシュと、過去の2例では明暗が分かれる形となっている。降格を味わった悔しい歴史を繰り返すことなく、J1で生き残り続けることができるか―。まだシーズンは序盤だが、札幌というクラブの底力が今試されている。