《鶴岡慎也のツルのひと声》揺るぎないバギーへの信頼 頼もしさを感じる田宮の巻き返し
■オープン戦 巨人5ー1日本ハム(3月17日、エスコンフィールド北海道)
本領発揮にはほど遠いバーヘイゲン
バーヘイゲンが、らしくない。ここまで思うような結果を出せていないが、この日も本領発揮とはいかなかった。一番は球速。本来のスピードから12~13キロは遅い。持ち前の力強いツーシームも鳴りを潜めている。となれば当然、打たれ方も悪くなる。
打者に恐怖を感じさせられていない
スピードと力強さを欠いたボールでは打者は恐怖を感じない。しっかりと球を呼び込むことができる。そして甘くなったボールをことごとく痛打される。キャンプから同じパターンでやられている。
昨季はメジャーで60試合登板 「こんなもんじゃない」
心配ではある。ただ、割り切りも必要だ。今、調子が上がっていないだけ。そういう言葉で片付けさせてほしい。昨季もメジャーで60試合登板を果たしている。何より私自身、2020、21年とファイターズでともにプレーし、ボールを受けてきた。彼の素晴らしさは分かっている。こんなもんじゃない。
上位進出&優勝争いに欠かせないバギーの存在
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長いシーズン。ハイパフォーマンスをキープし続けることは難しい。調子には波がある。出力が上がらない波が今、来ているのだ。無理に開幕に合わせる必要はない。現況、状態の良い先発陣は複数いる。しかも4月は最大で4連戦。焦ることはない。
大きな契約でファイターズに復帰した。やってもらわなきゃ困るし、結果を残すだけの力は、まだまだ十分にある。上位進出、そして優勝を争うためにはバギーの本来の力が必要なのだから。
復調の兆しを見せた田宮 強肩も健在
一方で、存在感を示した選手もいる。田宮がその一人だ。五回の第2打席で右前打。遊ゴロに終わったが、三回の第1打席も悪い形ではなかった。そして肩。一回に門脇の二盗を阻止した。ここしかなというポイントに力強く送球した。キャンプからフルパワーでアピールを続けていた。良いことではある。だが、オープン戦に入り、少々、体に疲れが出てきたようだ。それがここに来ての巻き返し。実に頼もしい。若い選手の猛アピールはチームを活性化させる。
チームを引っ張る松本剛 バッテリーにとって厄介な打者
松本剛は良い調整ができている。体にキレがあり、ボールを長く見られている。バッテリーにとっては厄介な打者だ。追い込んでも前に飛ばしてくれない。それでいて甘い球はしっかりとはじき返し、ボール球にもバットが止まる。好循環だ。チームを引っ張っていく責任感もある。試合で見せるプレーへの集中、闘争心が物語る。