《SHINJOの信条》マラソン選手になりたかった。瀬古さんになりたかった
■練習(3月18日、エスコンフィールド北海道)
―(自ら)
「オレ、(現役時代に)トリプルプレーを経験したことがあったんですよ。タイガースのとき。同じ当たり(サードゴロ)。トリプルプレーを経験したかったから、途中で(走る力を)抜いた(笑)。どんなもんだろうって。珍しいプレーでしたよね。サードゴロを打ったら、ああなるんですよね」
―19日先発予定の山崎と打撃の話をしていた。打席に立つか
「打席に立つか、聞いたら『神宮得意です』と言っていて。じゃあ、立とうか、と伝えたら『いや大丈夫です』って。この開幕前はダメでしょ。痛いでしょ。しびれたら(笑)」
―大学時代に神宮でホームランを打っている
「バッティングはめちぇくちゃいい。だって甲子園の記録(センバツ甲子園の1大会安打数最多タイ)をつくっているんでしょ。キャンプ中から何回か聞いたんですよ。打たないのか。(本人は)『いや…大丈夫です』と。オレなら打つけどな。FAで何球団も獲得しにきて、うちを選んで。(投手として戦力になろうとする)気持ちが伝わってきましたよ。でも気分転換で別にね。キャンプ中だったらバッティングしても良かったと思いますけどね」
―本人はあまり調子に乗らないようにと
「誰の下でプレーしているんだと(笑)。ねえ。話題つくりなさいよ、逆に(笑)。オレだって話題をつくっていたじゃないですか。(現役時代に)ピッチャーもして。やりたくもないのに(笑)」
―実はやりたくなかったのか
「目立つのは好きだったから。ただ、真剣にシーズン中に投げようとは思わない。野村さんは真剣に思っていたから。オレはもう話題をつくるまでと。開幕前までには足が痛いふりをしてやめようと思って。実際、膝がおかしかったから。なんかとげみたいなものが、もともとあったと思う。まあいいね、めっちゃ話題にもなったし、(元木)大介も抑えたしね」
―(自ら話題を変え)
「バーヘイゲンが上がってこないけど、難しいのは、外国人はオープン戦が全くダメなのに、開幕した瞬間に『弟? 誰?』というのを何人も見てきた。だからおもしろいんですよ。気持ちというか。まだ、股関節をものすごく気にしているのが…。去年、手術したのかな。股関節は、ややこしいんすよ。オレ、スポーツにおいて大事なのは股関節だと思っている。全部の動きに対して。やっぱり柔らかくないといけないし、しっかりしたところにはまっていないと。中心じゃないすか。厄介ですよね。股関節と首も。タイガースの時に泊まったホテルのベッドがマジで(幅が)ちょっとしかなくて。落ちて寝違えたことがあって。打球を追う動きも、おかしかったですよ。(捕手側に寝違えて、投手の方を見るために)打席ではめっちゃオープンに構えて、やった記憶がありますね(笑)。それでもレギュラーは出ないといけないんですよ。どんな状況でも。そこで結果を出さないと、稼げない。多少、けがをしても、前回もけがして結果を出したからと、監督に安心感を与える。けがをしても工夫する、という子たちが今は少ない。けがの功名で、いいバッティングをするかもしれない。まあ、守備のことに関しては、太ももとか、ふくらはぎは厳しいけど、上半身ならなんとか。脇腹は痛めたことないのでわからないですけど」
―開幕に向けて捕手を起用する際、大事にしたいことは
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「一番はピッチャーに首を振らせない。投げたい球を察知して一発で出すということ。(首を数回振るしぐさをして)はぁー(ため息)となられるのは嫌ですね。ミーティングをしていても試合の状況によってピッチャーが投げたいボールは変わってくるじゃないですか。キャッチャーがポーンと(サインを)出して、おお、それだ、それで抑える。信頼関係というものが生まれてくるんですよ。それで、あの選手でお願いします、となってくる。その後にもちろん配球、肩、キャッチング、次がピッチャーの間のつくり方というか盛り上げ方というか。あと、バッティング。バッティングも大事でしょ。やっぱり。打たんでいいというけど、やっぱり打ってほしいもん。田宮くんなんかは足もあるし、小技もできるし、おもしろいキャッチャーじゃないですか? キャッチャーで盗塁王でも取ったら、おもしろくないですか? あと最多安打とか。内野安打が打てるバッターになってくれたら。追い込まれてね、この球場なんか、わざとインコースのやつを走りながらコンって詰まらせ、走るというか。1打席目、2打席目でそういうのがポンポンと出たら、今度はガーッて(強振)。大きいのも打てますしね。きのう(17日)のセカンドスロー、オレ、間違いなくセーフと思いましたもん。アウトかいって。落ちないですもんね。彼もあれでしょ? 何とかグループが好きなんでしょ? AKBとか…」
―アイドルが好き
「人それぞれですからね。じゃあ秋葉とか行っているんだ? いや、それで試合前とかテンション上がれば。音楽とかも使っていますもんね。アイドル好きなのは浅間くんも野村くんも、田宮くんも。多いですからね」
―選手の好きなアーティスト、曲も把握している
「わかりますよ。とげとげ(野村が登場曲に使用しているBishの曲の歌詞の一部)が流れているじゃないですか。とげとげの時、あまり打ってないんですよね(笑)」
―話題は変わるが、監督は子供のときからプロを目指していたのか
「目指していない。あ、オレ、マラソン選手になりたかった。瀬古さんになりたかった。ホントホント。小学校時代、ずっと、エスビー。夏でも冬でも。エスビーのタンクトップで毎日、通っていた。寝る前からそれを着て、起きたら、みんな自転車なのに、オレだけ走っていって、自転車より速かった。ホントホント。エスビーエスビー」
―エスビーのタンクトップはどうやって入手したのか
「エスビー食品。おやじが、『息子が瀬古さんのファンやけん、タンクトップばくれんね』と。で、タンクトップを1枚もらって、それをずーと、1年間。エスビーのタンクトップにデニムの半ズボンに、ハイソックス。靴は買ってもらえなかったから、上履き。練習も上履きでしていましたよ」
―瀬古さんと会ったことは
「ないですよ。平和台競技場の福岡マラソンでイカンガーと最後の150メートルぐらいまで競って、瀬古さんが抜いて優勝したシーンをオレ、目の前で見ていて。だからマラソン大会はほとんど余裕で1位だったけど、(わざと2位の選手に)ついていってたもん。最後の150メートルまで。そこから、オレは瀬古剛志だと。同じポーズで1位」
―競技場で見ていたのか
「見ていた。イカンガーと瀬古さんを見ていた。小学校の時かな。マラソンの瀬古さんになれなかったら、プロ野球選手になろうって。第2志望。ただ、金儲けするんだったらプロ野球選手やぞ、マラソンじゃないよって言われていて。そうかと。カウンタックに乗りたかったから。カー消しゴムを持っていて。それで、プロ野球選手にしようかなと。どっちでもいいなと。スポーツ万能やったから。なれるやろ、という感じでしたね。で、すぐなれた(笑)。プロのレベルを見ても大したことないなって。オレの方が全然上やなって。でも、3年やってダメだったら帰ろうと思っていて。実家の植木屋を継ごうと。1年とか1年もたないうちに諦める人たちが多いじゃないですか。そういうのはダメで。3年で結果を出す。今、活躍している選手は2年前からやってたことが今、出ている。やり始めたら、2年後に素晴らしい成績が出るから、やり通す。コーチ、監督が変わってやり方を変えたら、一本の筋が通らなくなる。また元に戻ってしまうから。間違いじゃない、やるんだ。必ずできるからと。打ち方にしても、今年はこれにしようじゃなくて。だから、不器用な選手が大スターになる。同じことばかり。だからツボにはまった時に打てる。俺は器用やったからわかんないけど。やれって言われたことがすぐできるし。前も話したかもしれないけど、下半身は田淵さん、上半身は掛布さん。で、ホームランをカンカン打っていたんですよ。途中からあれ、どっちがどっちか、わからなくなってきたと。自分のフォームまでわからなくなってきて。結局は、なんかバナザード(元ダイエー)の打ち方とかになって。左やんけと。バットはバナザードモデルを使っていたから。ほっそーいグリップで。全然飛ばん。バランスが悪すぎて。でも、ほんとバリー(ボンズ)のバットと出会ってから打率もホームランも向上。昔ね、タイガースの久慈さんが使っていたような。短距離ヒッターのやつ。ちょっと細い版みたいな。ファイターズの選手に、これ、バリーのモデルがいいから、使ってみいと。使った選手はほとんど成績が上がった」
―(自らメジャーの話題に触れ)
「そういえば、何でメジャーリーグは韓国でやっているの? あれ、どれくらいもらうんですかね? どれくらい払うんですかね?」
―高額を払っているかと
「でもMLBが世界に野球を広めたいというのはかなりあると思う。そんなにお金を取っていないのかな? あとパドレスに韓国の選手いますよね。大谷くんとダルビッシュくんと山本くんもいて。いいですよね。日本もアメリカで試合をやったら入るかな? あと、台湾でやりたいですよね。台湾に行きたいですよ」