中島卓也が1軍合流即〝らしさ〟全開「勝つためにやることが一番」
■オープン戦 日本ハム4-0ヤクルト(3月19日、神宮球場)
五回に代打で途中出場「集中していけた」
開幕10日前に巡ってきたチャンスで、きっちり存在価値を証明した。この日から1軍に合流した中島卓也内野手(33)が、五回1死から代打で途中出場。2打席で1四球を選び、盗塁を決め、遊撃の守備では軽快な動きで併殺を奪うなど、特長を存分に発揮した。試合後には「途中からでしたけど、集中していけました。自分の持ち味を出したプレーが見せられて良かったかな」と表情を緩めた。
チャンスをつくっていくのが僕のスタイル
経験豊富な男は、勝利に必要なプレーを心得ている。4点リードで迎えた七回1死の第2打席。ダメ押しの1点が欲しい場面で、左腕・田口のボールを冷静に見極め、四球で塁に出た。「塁に出たら常に狙って行く」と、続くスティーブンソンの打席で好スタートを切り、二盗に成功。あっという間に好機をつくり出した。得点にはつながらなかったが、「やっぱりヒットは打ちたいですけど、とにかく何でもいいので、塁に出て、盗塁して、チャンスをつくっていくというのが僕のスタイル。そこは常にやっていきたいなと思います」と求められる役割を自覚し、結果を残した。
久々の「ハルタク」で旧交を温めた
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試合前には、元チームメートの西川遥輝(ヤクルト)と旧交を温める場面もあった。かつては1、2番でコンビを組み、「ハルタク」の愛称でファンに親しまれた。2人で多くのチャンスを創出した時代から、自らを犠牲にしてでもチームの勝利を最優先に考える中島の姿勢は変わっていない。「出るからには結果が欲しい。でも、その中で勝つためにやることが一番なので。オープン戦ですけど、出るからには勝ちに貢献したいなと思ったので、そこは集中して準備していきました」と力を込めた。
二遊間のポジション争い 優勝の味を知るのは中島だけ
現状、二遊間はレギュラー不在だ。遊撃は、この日も適時二塁打を放った水野が打撃でアピールを続けているものの、守備に定評のある上川畑は負傷からの回復途上。二塁は加藤豪、石井が争い、ユーティリティ性を武器にする細川は虎視眈々と両ポジションを狙っている。それでも、優勝の味を知るのは中島だけ。春季キャンプから2軍での調整を強いられてきたが、〝逆転〟の可能性は十分に残されている。
今季が高卒16年目。ドラフト5位指名で入団し、15年にはベストナイン、盗塁王を獲得した。逆境には慣れている。中島にしかできない勝利を呼ぶプレーで、8年ぶりのパ・リーグ制覇、日本一奪還に貢献してみせる。