左足関節捻挫の清宮幸太郎が2軍で実戦復帰 稲葉2軍監督「生きた球も見ていない中で…」
■イースタン・リーグ1回戦 ヤクルト6-3日本ハム(3月20日、鎌ケ谷スタジアム)
鎌スタ開幕戦で再出発
1224人の観衆が詰めかけたイースタン・リーグの〝鎌スタ開幕戦〟が、再出発の舞台となった。左足関節捻挫で離脱していた日本ハムの清宮幸太郎内野手(24)が、「1番・三塁」で先発し、昨年11月の秋季キャンプ中に行われた紅白戦以来、約4カ月ぶりの実戦出場を果たした。予定通り三回までグラウンドに立ち、2打数無安打。それでも、懸命にリハビリを続けてきた背番号21へ、ファンからは温かい拍手が送られた。
「もちろん、もっといい結果を出したかったですけど、守備機会もあったし、ボールもまあまあ見えていた。 特に違和感もなく(試合に)出られたので、良かったかなと思います」
最初の割りには良かった
公式戦の打席は昨年10月のシーズン最終戦以来だったが、感触は悪くなかった。2打席ともヤクルトのベテラン左腕・石川と対戦し、遊飛、遊ゴロに打ち取られ「やっぱり打席に立つ上で気を付けなきゃいけないこととか、もっと意識しなきゃいけないところみたいな、そういう感覚とかもこれから出てくると思う」と課題を挙げつつ、「でも最初の割りには良かったです」と安堵した。
第1段階としては順調
ベンチで見守った稲葉2軍監督も「(春季)キャンプをずっとやっていなくて、生きた球も見ていない中で、普通に打っていたね。あんな普通に打っているんだって思ったし、(投手の球に)対応はできていた。第1段階としては順調に来ているんじゃないですか」と、ポジティブな印象を口にした。
負傷直後は「やばかった」 国頭では全集中
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まさかのアクシデントだった。1月29日、沖縄・名護で春季キャンプの先乗り自主トレ中に、左足首を負傷。「痛かったです。めっちゃくちゃ痛かったです。やばかった」と、即座に戦線離脱を悟った。その後、2軍キャンプ地の同・国頭で過ごした1カ月は「もう治すことに全集中してました」とリハビリに専念。元気な上半身など、負傷直後から鍛えることが可能な部位もあったが「できることをやりすぎて体のバランスに偏りが出るよりは、しっかりいいバランスで動けるように意識していました。やりすぎないように」と復帰後を見据えながら自分の体と向き合ってきた。
チームでは稀有な左の長距離砲
新庄監督は、レギュラー候補として期待をかけていた清宮の負傷を受け、当初「置いていくしかない」とコメントしたが、チームに必要な存在であることに変わりはない。右打者には昨季25本塁打の万波、メジャー通算108発のレイエスに、マルティネス、野村ら、長打力が魅力の選手が揃う。しかし現状、左の長距離砲は見当たらない。「置いていく」は、「追いついてこい」という激励だ。
巻き返し誓う
清宮自身ももちろん、遅れは自覚している。「のんびりしている暇はない。かなり出遅れているので、しっかり巻き返せるように、これからやっていかなきゃいけない」と表情を引き締めた。
次回は5イニング出場予定
現実的に開幕1軍は厳しい状況だが、可能性が1%でもあるうちは諦めない。今後は21日の2軍ヤクルト戦(鎌ケ谷)には出場せず、22日の同巨人戦(同)で5イニングの出場を予定している。「開幕1軍を目指してやっています。行けるなら行きたいです。でも上(1軍)次第なので、いつ呼ばれてもいいように、しっかり準備するだけですね」。ケガをしてしまった過去は変えられない。前だけを見て、今できる最善を積み重ねていく。