■選抜高校野球大会（３月２２日、阪神甲子園球場）
▽１回戦　北海１－７大阪桐蔭

　初の大舞台で堂々の投球を見せた。北海の先発・松田収司投手（２年）が２回⅔４失点で降板後、２番手として大澤知弥投手（３年）が登板。昨秋の全道大会や神宮大会でも登板のなかった右腕が、甲子園のマウンドで持ち味を発揮した。１００キロ前後の緩いカーブを交え、強力な大阪桐蔭打線を５回⅓３失点にまとめた。昨秋から主戦として投げていたのは松田だっただけに、「エースを取れるように頑張っていきたい」と最後の夏へ強い気持ちを見せた。

三回途中から最後までマウンドに

　臆せずに右腕を振り続けた。３四球を与え、３失点は喫したものの三回途中から最後までマウンドに立ち続けた。大阪桐蔭が相手の初の聖地は「声もすごくて、圧がすごかった」と話したが、生命線のカーブが決まり始めると、投球のテンポも上がった。丁寧に低めを突く投球で傷口は最小限にとどめた。リードした大石広那捕手（３年）も「初めての甲子園だったんですけど、大澤はいいピッチングをしてくれた」と称えたが「ランナーを出してしまったり、四球が多かったりしたので、そこらへんがまだ全然駄目」と自己評価は厳しい。

「コントロールを磨きたい」

　直球は１３０キロ前後なだけに、精度にこだわっていく。「気持ちの面では緊張せず投げれたので良かった。コントロールがまだ全然まとまっていない。そこを磨いていきたい」と現時点での課題は明確となった。このチームは２年生右腕の松田が中心となっていたが、いまだエースナンバーは不在。「松田にずっと頼ってばかりだったので、先輩である自分がやってやる」と大きな舞台でまずまずの投球を披露した。平川敦監督（５２）は「こっちに入って調子も良かったですし、カーブが生命線。よく投げてくれたと思います」と評価した。

３年生の意地　背番号１は「自分が付けたい」

　３年生として、簡単に背番号１を譲るわけにはいかない。今大会、背番号１は一塁手の金澤主将が背負っている。「まだ１番を付けている人（投手）がいないので、自分が１番を付けたい」と闘志を燃やす。投手陣の整備は大きな課題となるだけに、大澤の台頭は夏に向けての収穫となった。