シーズンが開幕する２９日は上原の誕生日だ。１週間後には３０歳になる。すでに開幕ローテ入りが内定し、バースデー２日後の３１日に先発予定。節目の１年を占うマウンドになりそうだ。

　２０代から３０代へ。アスリートとして、分岐点になるかもしれない。若手時代と心境は違うか、と尋ねたら「結構、３０歳ってオッサンだな、というイメージがあったんですけど、こんなものかと。年齢の割には体が動くし、年々、良くなっている。あまりそういう（体力的に衰えていくような）実感はないです」と教えてくれた。

　世代交代が進むファイターズ。３０代は少なく、上原も中堅からベテランの域に入ってくる。ただ、周囲の反応は少し違うらしい。「コーチ陣には若手扱いをだいぶされています（笑）。おまえは絶対に若手だと。逆に、僕も若々しくいられたらいいかなと思います」と笑った。

　沖縄出身だから、というくくりは良くないかもしれないが、いつも物腰が柔らかく、おっとりしているようにも感じる。本人にも自覚があるようだ。「若手扱いされるのは、実績不足と性格的な問題じゃないですか。たぶん、のんびりしているので、ハッパかけられる」。放っておけないオーラがあるのか―。年齢を重ねても世話を焼いてくれる指導者がいるのは、きっと人徳だと思う。