《大海の部屋》vol.02 道産子5人目の大役へ 朝活で心身ともに充実 肉体改造成功の秘けつも明かす
球団史上初の開幕投手 万全の状態で「3・29」へ
日本ハム・伊藤大海投手(26)の連載手記「大海の部屋」第2回は、シーズン開幕が間近に迫った今の心境をつづります。北海道出身の選手が開幕投手を務めるのは球団史上初。大役を担う3月29日のロッテ戦(ZOZOマリン)に向けて、心身ともに準備万全のようです。
栄誉を知り気合十分 「より一層、やりがいを感じました」
道産子の開幕投手は球団初だと、最近になって知りました。より一層、やりがいを感じましたし、開幕投手と開幕勝利投手だったというのは変わってくるなと思いました。
交差する運命 同郷の大先輩・盛田幸妃さんに心を寄せ
北海道出身者の開幕投手は、僕で5人目なんですか。鹿部町の大先輩・盛田幸妃さんが1996、97年と2年連続でやっていたことは知らなかった。〝奇跡のリリーバー〟というイメージが強かったです。
僕が生まれた97年にやっていたと考えると、余計に感慨深い。盛田さんは父さんの同級生で、小さい頃からプロ野球選手を身近に感じさせてくれた存在ですから。
ダルビッシュの開幕登板をテレビ観戦
いつも通りとは言っても、いつも通りではないですよね。ダルさん(パドレス・ダルビッシュ有)が先発したメジャーの開幕戦はテレビで見ました。独特の雰囲気もありましたし、初球の感じとかを見て力んだりもするんだろうなと思いました。
強心臓を自認 独自のメンタルコントロール
僕が過去一、緊張したのは(昨春の)ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝。球場に入ったら、決勝だけ雰囲気が違ったんすよ。ベンチの前にペドロ・マルティネスがいたりして。でも、試合にはすんなり入っていけました。大舞台に強いというか、緊張していても、いつも通りにできる。なるようにしかならないって。
ダメだった時にガタガタ崩れるのが嫌なので、悪いイメージを6割、良いイメージを4割持って試合に臨むようにしています。たとえば味方がミスすることもある。最悪なケースを想定することで、心の余裕が生まれるからです。
昨秋から取り入れている朝活 「悪い物が体に何もない」
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オープン戦最後の登板を終えて、今は体がめっちゃ元気です。全然、疲れていない。朝活のおかげかな。去年10月くらいから、朝散歩しているんです。家の周りとか、最近はエスコンのバックヤードを40分くらい歩いています。朝、いいことをすると気分が上がるというか、ちゃんとやっている満足感がありますよね。
ナイターでもデーゲームでも朝6時に起きています。アラームが鳴る前にちゃんと目が覚めるんですよ。風邪とかも全然ひいていないし、状態いいんだなって。すごく心も体も浄化されて、悪い物が体に何もない気がします。
試行錯誤の末に肉体強化にも成功
体重は5キロ増えて、85キロ。ウエートトレーニング、食事、サプリメントをいろいろ試しながら、やっと落ち着いてきました。体を大きくすることにたけているボディービルダーの動画を参考にしたり、野球以外のスポーツから情報を得ることもあります。
自分のコーチは自分。周りの人に意見を聞くこともありますが、最終的に決めるのは僕であるべきだと思っています。自分の体に関しては、責任を取らないといけない。日々勉強です。
愛妻の献身サポートに大感謝
妻にも感謝しています。アスリートにとって大事な食事ですが、自分一人では限界がありました。1品、2品を作って、サプリメントで補うことが多かった。結婚してから、家でご飯を食べることが増え、そのおかげで体重管理ができています。夕食は5品、和食が多いですね。何でもおいしいです。
アスリートフードマイスターの資格を取って、栄養素の説明もしてくれます。何となく食べるのと、自分で理解して食べるのとでは違う。登板前は、緑黄色野菜を取ると出力を上げやすいとか。野菜もしっかり取るようになりました。
楽しむことも忘れない 「いろんな気持ちを背負って」
開幕戦の舞台・千葉に移動し、いよいよです。ロッテは応援もすごいですし、雰囲気も楽しみたい。開幕投手はこれからもできるかもしれないですけど、人生初めての開幕投手は今回限り。チームとしても自分としても、いいスタートを切りたい。頑張るのは大前提。いろんな気持ちを背負って、楽しみながら投げたいです。