《岩本勉のガン流F論》構えが物語る田宮の成長 開幕スタメンは十分にある
■オープン戦 DeNA1ー0日本ハム(3月23日、エスコンフィールド北海道)
シーズンインへ出来上がっている加藤貴のピッチング
まず言いたい。先発登板の加藤貴。もう、シーズンインに向けて出来上がっている。5回で球数は57球。安定感はいつも通りで、何も問題はない。あとはしっかりと登板日に合わせていくだけだ。
成長著しい田宮 「座りの良さ」に見る自信
その左腕を巧みにリードした田宮の成長が著しい。「座りの良さ」に自信がうかがえる。これまでは倒れそうなほど、前傾姿勢に見えた。投手に「これでいいですか?」「このボールでいきましょうか?」と伺いを立てるような心構えが、そう見せていたのだろう。
どの世界でも、経験は人を成長へと導く。投手陣としっかりコミュニケーションを取り、それぞれの特徴を把握してきたことで、どんどん自信が付いてきた。伊藤と組んだ前日もしかり、今ではどっしりと構えられている。ピッチャーを輝かせる捕手になりつつある。
「開幕戦=伏見」の大方予想に待った
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六回からマスクをかぶった伏見は「さすが」の一言。やはり安心して見ていられる。ただ、田宮は、「開幕戦は伏見でしょ」という見方を覆らせるだけのパフォーマンスを見せている。オープン戦も最終盤となり、先発起用が増えている。田宮の開幕スタメンは十分にある。ルーキーの進藤も楽しみな選手ではあるが、レベルの高い相手との対戦が続き、完全に「心疲れ」したのだろう。経験に勝る田宮が日に日に存在感を示していった。
スーパーキャッチャーになっていく可能性も
打撃に関しては少々、結果が出ていない。ヒットを欲しがっているのも分かる。だが、キャッチャーバッターだ。絶好調であったなら、バットでもチームに貢献できる―という立ち位置でいい。良いセンスを持っているのは間違いない。今後、打撃でも重責を担うようなスーパーキャッチャーになっていく可能性はある。
江越の盗塁失敗はベンチの采配も含めたイージーミス
あと一つ、言わずにはいられない。八回無死一塁。代走の江越が二盗を試みて失敗した。1点を追う展開で終盤の八回。走るなら、100%成功させなければいけない。オープン戦だからこそのトライであったのかもしれないが、これでは追い付ける試合も追い付けない。ベンチの采配も含めたイージーミス。開幕が迫っている。気を引き締めてもらいたい。