夏季スポーツ
2021/11/13 14:29

女子・旭大高が初の4強 全国切符まであと1勝

準々決勝第2セット、マッチポイントから旭大高の佐藤主将がサービスエースを決めて初の4強入りを喜ぶ

■全日本バレーボール高校選手権道代表決定戦 第2日(12日、江別・野幌総合運動公園総合体育館ほか)

男女の4強が出揃った。女子は、準々決勝で旭大高が2―0で東海大札幌高を下し、初めての4強入り。初の全国大会出場に王手をかけた。きょう13日の準決勝は、2年前に就任した福田まどか監督(44)の母校・旭実と対戦。中学時代に実績のなかった雑草軍団が、今夏の女王に立ち向かう。もう1試合は昨年優勝の札山の手と札大谷が対戦。男子は恵庭南と札藻岩、道科学大高と東海大札幌高がそれぞれ対戦する。男女とも上位2校が全国大会に出場。

最長身168センチの雑草軍団「旭実に勝って全国へ」

 初の全国へあと1勝だ! 準々決勝の東海大札幌高戦、1―0で迎えた第2セット。旭大高はマッチポイントから途中出場の佐藤陽向主将(3年)がサービスエース。仲間とハイタッチで喜びを爆発させた。「旭川実業に勝って全国へ、が目標。あしたが勝負。気を抜けない」と、大一番へ気持ちを切り替えた。
 大黒柱がぎりぎり間に合った。佐藤主将は今年3月に左膝前十字靱帯(じんたい)断裂と半月板損傷で手術。全治1年と診断され、夏は裏方に回っていたが、驚異の回復で10月下旬にコートに復帰した。状態は9割ほど。痛み止めを飲み、随所で好プレーを披露した。
 まさに雑草軍団だ。チームの最長身は168センチ。「私もチビと呼ばれていた」という指揮官は、前任の江陵で4年連続全道4強入りした経験から、小柄な選手を「上位と戦えるようにするのは私しかいない」と奮起。週6度の練習に一度は系列の旭大へ出稽古。170センチ超えの選手と練習し、強豪校に対抗できる粘り強いレシーブと、サーブ、アタックを磨いてきた。
 大会前の10月31日には、昨年優勝の札山の手と5セットマッチの練習試合を行い、2―3と善戦。佐藤主将は「チームも自信がついた」と成長を実感している。
 夏も全道4強。福田監督は「(このままでは)まぐれと言われても仕方がない。ここで勝ちたい」。相手に不足はない。歴史を塗り替え、一気に頂点へと駆け上がる。
(西川薫)

昨年女王・札山の手フルセット辛勝

○…昨年女王が大苦戦した。準々決勝のクラーク戦では、第1セットを落とすと第2セットも25―22と接戦。第3セットに入ってようやく地力を発揮。フルセットの末に準決勝へ駒を進めた。2年生ダブルエースの一角・天野恋は「自分が相手のブロックにつかまってしまって残念」と反省。ただ、苦しい試合を勝ちきったことで「粘り強さと底力を知ることができた」。仕切り直して、4連覇に向け全力を注ぐ。

クラークは大善戦もあと一歩届かず

○…初の全道4強に一歩届かなかったが、昨年の女王・札山の手に創部3年目で大善戦した。第1セットは21―24から5連続ポイント奪取で逆転。塚原百恵主将(3年)を中心に攻めまくったが、1―1で迎えた第3セットは、逆に19―20から5連続失点で試合を決められた。創部1期生として挑戦し続けてきた3年間が終わったが、塚原主将は「悔しいけれど、できることは全部できた。出し切った」。悲願達成は後輩たちに託した。

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