山本拓実 〝大師匠〟久コーチ直伝のシュートに自信「つかみました。あとは勇気を持って投げるだけ」
■オープン戦 DeNA3ー2日本ハム(3月24日、エスコンフィールド北海道)
OP戦最終戦で1回無失点 さあ準備万端
〝大師匠〟直伝の新球で、新境地を開いた。日本ハムの山本拓実投手(24)が24日、エスコンフィールド北海道で行われたDeNAとのオープン戦に4番手で登板し、1イニングを無失点に封じた。
シーズン前のラスト実戦で上々の結果を残し、移籍2年目のシーズンへ弾みをつけた。
DeNA打線を引っ張る佐野&牧を手玉
細心の注意を払い、マウンドへ向かった。オープン戦は13日の広島戦以来。20日の2軍ヤクルト戦の登板を挟んで迎えた一戦で、本領を発揮した。相手の中軸を担う佐野と牧を凡打に仕留めるなど、直球主体の投球でDeNA打線を抑え込んだ。
自己最速を更新する一方で… 納得できない投球内容
今春のオープン戦では、自己最速を更新する156キロを記録。出力が向上した一方で、なかなか満足いく結果を得られなかった。「力加減が一番のテーマ。156キロを出したことで(球速を)求めてしまった。ホンマは、そこだけじゃない。打者を抑える意味では球速よりも大事なことがある」と、対バッターに照準を合わせて投球を見つめ直した。
的確なアドバイス 2試合連続で本領発揮
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授かった金言は、効果てきめんだった。山本拓が中日時代から慕い〝師〟とする谷元打撃投手は、日本ハム時代に武田コーチと師弟関係を結んでいた。小さな大投手の系譜を受け継ぐ右腕は、1失点した広島戦の翌日に〝大師匠〟である同コーチから言葉をかけられた。
「『セットポジションに入った時の構えに力みがある。力が入って背中が丸まっているよ』って。良いボールを投げたい思いが先行していたのかな…。体は熱くても頭は冷静に。去年は、こういうふうに投げていたなと思い出せました。不安があったけど、開幕前に良いバランスを見つけられたので、これで大丈夫です」
プロフェッショナルは、わずかな違和感を見逃さない。たった1つの助言で、パフォーマンスは一気に上向いた。2軍ヤクルト戦、DeNA戦と2試合連続の好投でシーズン本番への準備を整えた。山本拓は確かな自信と新たな武器を携えて、勝負のシーズンに突入する。
伝家の宝刀に手応え十分 「真っすぐと変わらない感覚で投げられる」
昨秋のキャンプから習得を目指したシュートが今、切れ味を増している。「(武田)久さんから『インコースを攻めないといけない投手だよ』と言われて、投げ始めました。春のキャンプ、オープン戦と投げてきたけど、手応えをつかんだのは前回登板から。久さんに握り方を教えてもらったシュートは、真っすぐと変わらない感覚で投げられる」
迷いや不安は皆無 万全の状態でシーズンへ
新球種は、直球と変わらない球速で右打者の内角をエグる。この日、牧を一邪飛に仕留めた148キロの速球もシュートだった。「真っすぐと同じスピードで打者に食い込むイメージで、良い感じの力加減をつかみました。あとは勇気を持って、狙ったところに投げるだけです」
レジェンド右腕直伝の必殺球が、投球の幅を広げてくれる。