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2024/03/25 17:00

【西川薫】Vリーグ・アルテミス北海道で起きたフロントと現場の溝が招いた監督解任と全選手退団

 クラブ経営の難しさを改めて垣間見た。活動3年目で北海道初のバレーボール女子Vリーグ参入を果たしたアルテミス北海道だ。2023-24年シーズン終了後、3月23日に北広島市でファン感謝イベントが開催される前までに、チームの顔として創部から指揮を執ってきた成田郁久美監督(48)以下スタッフ5人の解任を発表。さらに来季のチーム方針に異を唱える全選手15人の退団が発表された。15人の中には引退を決意した選手、現役続行を求めてこれから移籍先のチームを探す選手がいるなど、文字通りの空中分解だ。

新監督すでに決定 内定選手も

 来季は新リーグに準加盟が発表され、最高峰SVリーグよりひとつ下のカテゴリーのVリーグに参入予定。すでに次季監督は決定済みで、新規加入選手も数名が内定しているが、活動予算は縮小方針。すでに撤退を決めたスポンサーも出てくるなど雲行きは怪しい。

 明るく振る舞う姿が見ていて痛々しかった。感謝イベントは選手、ファンともに盛り上がっていたが、退団セレモニーになると一転、選手やファンのすすり泣く声が聞こえ、会場は重苦しい雰囲気に包まれた。成田監督は「本来であれば、チームの代表である工藤(代表理事)がこの場に来て、皆さまにあいさつするべきだと私は思いますが、残念ながら来られなかったので、私が知っていること、話せることを皆さんの前でお話しするのが筋」と切り出し、ここに至った状況を説明。フロントが掲げる「身の丈にあった」活動方針に疑問を呈した。

フロントが掲げる「身の丈に合った」活動方針に疑問

 成田監督はかつてトップリーグでプレー。当時は競技に専念できる環境も、それに見合った報酬もあった。その経験からフロントの方針に合わなければ解任されることは理解している。ただ「ここにいる選手は、チームから一切、報酬をいただいておりません。それぞれの職場でしっかり働いて、その中で時間を作ってバレーボールに取り組んできています」。監督自身はクラブから報酬を支払われていたが、選手は無給。創部から今に至るまで、要求といえばユニホームの予備と遠征先のホテルに選手の栄養を考えた食事を付けてもらう、といったもので、それほど無理な要求ではなかったという。

選手はチームからは無給だった

 では、何が経営を圧迫したのか。遠征費というならば、来季以降、さらに厳しい現実が待ち受けるだろう。V3は4チームで15試合だったが、将来SV参入を目指すとなると、そうもいかない。総試合数や選手の人数にもよるが、移動にかかる経費が増大するのは確実だ。これまで以上のスポンサー獲得が必要になるが、今回の解任・退団騒動でイメージ悪化もありえる。

成田監督の今後は

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