社会人野球・トッキュウブルーローズが本格始動 元中日・遠田監督「どうせなら日本一」
23年春に発足した、岩見沢の社会人野球チーム・トッキュウブルーローズが25日、5月の公式戦デビューへ向け、本格的に始動した。指揮官は元中日の遠田誠治監督(59)。選手は大卒、高卒を中心に21人。4月13日に北海学園大と初の対外試合を行う。
4月13日に北海学園大と対外試合
昨年11月に同社敷地内に完成した、21メートル×41メートルの室内練習場に、青を基調とした真新しいユニホームに身を包んだ選手全員が初めてそろった。指揮官の背番号は、恩師の故・星野仙一氏と同じ「77」。人数、実力とも予想以上の選手が集まり「最初自分のイメージの中では3年ぐらいかけてと思っていたが、選手には『今年からもう勝負かけるよ』と言った」と、目標を上方修正した。「どうせなら日本一。やるからにはクラブ選手権で優勝して日本選手権へ。足を絡めながら打てるチームが目指すスタイル。どちらかと言うと攻撃的なチーム」。取られても取り返す、アグレッシブな野球を目指す。
母体は岩見沢で運輸業など展開するトッキュウ
チームの母体は岩見沢市で、運輸業など幅広い事業を展開するトッキュウ。元々は業界の2024年問題に向けて、人員確保の方策のひとつとして立ち上がった。監督はもちろん、選手21人中13人が同社及びグループ企業に勤務する。チームの部長で工藤真也代表取締役社長(49)は「今、われわれの業界は本当に人手不足。苦戦していた人材確保が、13人も入ってくれて非常にうれしく思う。地域のスポンサー企業にも3名入社させていただくことができた。地域にも貢献できて、地域の方と一緒に応援してもらえるチームとして、予定通り1年目からスタートできたのは本当によかった」。自前の室内練習場や打撃マシンなど、初期設備投資は約1億円。「やるからには、僕は徹底的にやる。中途半端じゃだめ」。練習の本拠地となる栗沢球場も本社から目と鼻の先。道内のチームでも抜群の練習環境が整った。
初代主将は札幌出身の辻健志内野手(メンバー表あり)
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初代主将は、札幌出身の辻健志内野手(22、日本体育大)。「都市対抗出場、クラブ選手権日本一を本気で狙っている。入団当初はそういう気持ちじゃなく、楽しく野球ができればいいと思っている人も正直いた。そこの気持ちをまず上に持っていけるようにするのが僕の役目」。大学時代は左膝を痛めるなど、1軍と2軍を行ったり来たりでリーグ戦出場は果たせなかっただけに、その悔しさを新たなステージでぶつける。
北海高出身の中川光月捕手も加入
高卒では、昨夏の甲子園で16強入りした、北海高出身の中川光月捕手(18)が加入。甲子園での出場機会はなかったが、3位に入った国体で2試合に出場。「甲子園で引退すると思っていたけど、国体に選ばれて試合にも出て、もう一度野球をやる気になった」と、高校の大先輩でもある指揮官の下で野球を続ける決断をした。
北海高元エースの岡田は室蘭シャークス入り
北海高でエースだった岡田彗斗投手(18)も、日本製鉄室蘭シャークス入り。「早く対戦したいです。打ってやりたいです。まずはキャッチャーで守備からリズムを作って、自分が引っ張っていけるように、守りをしっかりできるように守備を特にやってます。レギュラーを取りたい」。チームの公式戦デビューは5月の都市対抗北海道地区予選大会1次予選。初陣からの下克上へ、着々と準備を進める。
◆トッキュウブルーローズメンバー◆
位置 選 手 名 年齢 投打 出身校
投手 松崎 翔 22 右右 星槎道都大
投手 望月 大雅 22 右右 日本体育大
投手 西田 貴征 22 右右 城西大
投手 宮川 温人 20 右右 旭川市立大2年
投手 谷内 蓮 22 左左 札幌学院大
投手 阿部 歩高 22 右右 富士大
投手 鶴河 竣平 25 左左 久留米工業大
捕手 中川 光月 18 右右 北海高
捕手 吉田 龍誠 22 右右 札幌国際大
内野 佐藤 純太 26 右左 札幌学院大
内野 前田 大夢 18 右右 苫小牧中央高
内野◎辻 健志 22 右左 日本体育大
内野 田辺昂汰朗 22 右右 北翔大
内野 平手 塁 22 左左 北海学園大
内野 長谷川 瑠 22 右右 星槎道都大
内野 三好 良知 22 右右 仙台大
内野 伊藤 勇太 18 右右 美唄尚栄高
外野 福嶋 泰史 22 右左 札幌大
外野 標葉 音陽 18 右右 札幌静修高
外野 伊丹 哲平 22 右右 星槎道都大
外野 小野寺聖哉 28 右右 札幌学院大
※◎は主将