大阪桐蔭、山梨学院など甲子園常連校へ野球留学する道産子中学生
能戸内野手が大阪桐蔭に 横田内野手は石川県立門前に
今春も道内の中学を卒業後、甲子園出場の夢を抱き、道外に野球留学する球児がいる。とかち帯広リトルシニアの能戸夢生愛(むうあ)内野手(3年)は、甲子園春夏通算9度優勝を誇る大阪桐蔭に進学する。中学まで全国の主要大会実績はなかったが、50メートル6秒1の俊足を武器に、名門でレギュラーを目指す。また札幌新琴似リトルシニアの横田智哉内野手(3年)は、元星稜の山下智茂監督(78)が2年前からアドバイザーを務める石川県立門前に進む。それぞれが思いを胸に3年間の高校野球生活をスタートさせる。
十勝から大阪桐蔭に進学するのは能戸が初めて。同校は1学年20人の少数精鋭で全国から高い潜在能力を持った選手が集まる。「ほとんど自分よりレベルが上の人たちと野球をすることで、自分が成長できると思う。今までは、上の世界まで行けてなかったので、チームのみんなと協力して甲子園優勝したい。今は不安よりもわくわくの方が強い」と、名門の扉をたたく。
プロで活躍する根尾、藤原の春夏連覇に憧れ
2018年の夏の甲子園で、同校の中心選手だった根尾昂投手(23、中日)、藤原恭大外野手(23、ロッテ)らが春夏連覇した姿に憧れた。「圧倒的な強さにひかれた。打撃だったり大量得点で勝つ場面が多く見られた。守備も堅い分、失点が少ない。厳しい練習してるところに行きたい。プロ野球選手になって活躍して有名になるのは一握り。そういう人がいたチームで活躍するのが目標」と、大きな夢を思い描く。
能戸の兄・輝夢外野手は茨城・明秀日立で公式戦出場
能戸の一つ上の兄・輝夢(きらむ)外野手は、昨春から茨城・明秀日立に進み1年生から公式戦出場。夏は県大会4強入りした。大阪桐蔭への進学を報告すると「お互い上の世界で戦うんで、負けずに頑張れよ」と激励された。兄と甲子園で戦う日を夢みながら、厳しい競争を勝ち抜く。
横田は松井秀喜さん育てた名将のもとへ(道外進学者名簿あり)
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一方、横田はメジャーリーグ・ヤンキースや巨人で活躍した松井秀喜さん(49)を育てた名将の指導を受ける。「兄2人が寮生活で寮ができる学校を探した。山下先生の下で技術と人間性が成長できると思っている」。山下アドバイザーは2年前、母校の県立門前に地域おこし協力隊として野球アドバイザーの任に就いた。「野球で町おこしをしようとしているのを、動画などで見た。自分も人間として良い人になりたい」と、進学を決意した。
札幌新琴似では内野手として日本選手権でベンチ入りしたが、出場はかなわなかった。横田の上の兄・雄磨さん(22)はクラークの三塁手として2019年北大会準優勝。真ん中の兄・春輝さん(18)は大阪桐蔭で昨春、夏と記録員として甲子園でベンチに入ったが、2人とも選手として聖地の土を踏むことはできなかった。「兄と比べられたこともあるが、石川では知っている人がいないので、自分は自分、という感じでやっていきたい。甲子園に行きたい」。被災地にはまだ傷跡が残るが、野球を通じて町の復興にも貢献する。
■道外の高校へ進学する主な中学生■
高校名 位置 選 手 名(出身チーム)
【大阪桐蔭】 内 能斗夢生愛(とかち帯広リトルシニア)
【石川県立門前】内 横田 智哉(札幌新琴似リトルシニア)
【盛岡大附属】 投 菅原琥太朗(小樽リトルシニア)
【京都国際】 捕 中谷 隼斗(札幌新琴似リトルシニア)
【山梨学院】 投内 菅原 歩夢(札幌新琴似リトルシニア)
【日本航空山梨】投 野畑 直裕(札幌真駒内リトルシニア)
【青森山田】 投内 嶽石 渉太(札幌新琴似リトルシニア)
捕 佐藤蓮太郎(札幌新琴似リトルシニア)
【八戸学院光星】外 中 來翔(大空リトルシニア)
【広島商業】 外 澤向 風駕(大空リトルシニア)
【成田】 投内 粕谷 亮稀(北広島リトルシニア)
【帝京長岡】 内 加藤 謙太(日高リトルシニア)
投 仲保 蓮(札幌東リトルシニア)
投 髙橋 空馬(札幌東リトルシニア)
【創価】 投 平井 勇征(とかち帯広リトルシニア)
【和歌山東】 捕 山下煌太郎(北広島リトルシニア)