福田俊 開幕直前で2軍降格も「悔しいけど仕方ない」 一喜一憂しない男が秘める〝責任感〟
イースタン・リーグ雨天中止 鎌ケ谷でトレーニング
ギリギリで開幕1軍入りを逃した道産子左腕は今、何を思うのか―。日本ハムの福田俊投手(27)が29日、2軍戦が中止となり、千葉・鎌ケ谷の室内練習場で汗を流した後、取材に応じた。
「納得いっていますよ、全然。単純に結果が出なかっただけなので。しゃーないです。仕方ないですね。(1軍に)残りたかったんだったら、圧倒的な結果を出せよという話なので。悔しいですけど、しょうがないので、やることをやるだけですね」。強がっている雰囲気はない。首脳陣の判断を尊重し、前向きに次に取るべき行動を考えているようだった。
昨季の〝無失点男〟がまさか OP戦で防御率6.43
昨季は登板した全29試合を無失点で終え、キャリアハイの成績を残した。今季は貴重な左の中継ぎ候補として、キャンプから1軍帯同を続けてきた。しかし、オープン戦では7試合に登板して7回5失点。防御率6・43とつまずいた。
開幕直前の23日・DeNA戦(エスコンフィールド)でも失点し、最後の最後で開幕2軍が決まった。
予想通りの結果 「成績的にも下の方だなと」
「だいたい予想はできていました。(リリーバーが)12人ぐらいいて、ばーっと見て、成績的にも下の方だなと。それでDeNA戦で打たれて、これはもしかしたら落ちるかなと。そんなにびっくりすることではなかったです。みんな良かったですし、僕の結果が出ていないのは明確だったので」。大きく落ち込むことはなく、現実を冷静に受け止めた。
プロ6年目の道産子左腕 冷静に自己分析
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今年でプロ6年目。経験を重ね、多少のことでは一喜一憂しなくなった。感情の起伏が少ないことを、自身のストロングポイントにも挙げている。
「2軍にいても、悔しくて1軍の試合が見られないとかはないですし、自分が抑えて『よっしゃー』とはなるんですけど、喜びがずーっと続くことはないですね。ちっちゃい頃はもっと、純粋に喜んで悔しがってやっていたんですけどね。年を取るにつれて、いろいろな経験をして、こんな感じになりましたね(笑)」
看過できないリリーフ失敗
そんな福田俊が心を揺さぶられるのは、チームメートの結果を左右してしまった時。「勝っている時に投げて、他人の勝ちを消したとかになったら、話は変わってくる。自分自身のこと、他人が関与しないことにはあんまり、一喜一憂しない。でも、人のランナーをかえしたりしたら、うわー、やっちゃったなーと思う」。中継ぎ投手として、胸に秘めている責任感は人一倍だ。
やるべきことは重々承知 建山コーチも指摘
早期の1軍昇格へ、課題は分かっている。
「マウンドに上がってからの1人目、初球から、しっかり自分の球が投げられるようにというところ。建山コーチにも言われました。投げているボール自体はそんなに悪くなかったので、ちょっとした部分の精度かなと思います。この間のDeNA戦でも、先頭にフォアボールを出して、(次の打者への)初球のスライダーが抜けて、甘いところ入って打たれた。そういう細かい部分。間違える方向ですね。間違えるなら、外のボール球で良かった。左(打者)へのスライダーだったら、抜けるより引っかける。意識の問題ですね。投げどころと、あとは決め球の精度はもうちょっと上げていかないといけない。追い込んだとしても決めきれずにボール、ボールで結局、フォアボールみたいなこともあるので、決める時に決められるように」と修正点を列挙した。
シーズンは始まったばかり 地に足を着け再出発
シーズンは長い。開幕から1軍にいることよりも、最後にどんな成績を残しているかが大切だ。「2軍で結果を出す以外にないですね。自分の調子を落とさずに、いつ(1軍に)呼ばれてもいい準備をして、結果を出すしかない」
状態を保ってチャンスを待ち、昇格後は再び〝無失点男〟になってみせる。