ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》開幕投手の大役果たした「強い伊藤大海」
■パ・リーグ1回戦 日本ハム4ー1ロッテ(3月29日、ZOZOマリンスタジアム)
昨年9月に告げられた任務 言い訳できない状況
伊藤が一回りも二回りも成長した姿を見せてくれた。自身初の大役。この試合に懸ける思いを十分なパフォーマンスで表現した。昨年9月の最終登板日に告げられていた開幕投手。言い訳のできない状況で、キャンプから自分を追い込みながら仕上げてきた。今年でプロ4年目。個人的に、今までで一番、「強い伊藤大海」を見た。
決断に満ちたボールをビンビン投げ込んだ
ヨーイドンの1球目から決断に満ちたボールをビンビン投げ込んだ。自分に伺いを立てるような球は皆無に近かった。
六回2死走者なしで、5番の安田に100キロを切る超スローボール。ゆとりがあったからこそ、投げられた。また、乗っている自分に対し、乗りすぎないようにとブレーキをかける意味もあったのかもしれない。いずれにしても心技体、すべてが充実したマウンドだった。
六回には5番安田に超スローボール
快投は、あらゆるところへ好影響を与えた。最たるは女房役を務めた田宮。初の開幕1軍で、スタメンマスク。「伊藤さん、すげー!」と感じながら、心地良く自信を持ってミットを構えられたことだろう。打席でも先制打。盗塁も決めた。これぞ伊藤がもたらした相乗効果。リードで、攻撃で、若い捕手を躍動させた。