道産子・伊藤大海が開幕戦白星 鹿部町からはるばる応援に駆け付けた家族が好投を後押し
■パ・リーグ1回戦 日本ハム4ー1ロッテ(3月29日、ZOZOマリンスタジアム)
晴れ舞台に〝強力援軍〟来場 この日に空路で千葉入り
日本ハムの伊藤大海投手(26)が29日、ロッテとの開幕戦(ZOZOマリン)に先発し、6回4安打無失点の快投で、今季初勝利を挙げた。自身初の大役に臨む道産子右腕を応援するために、故郷・鹿部町から家族が球場に駆け付けていた。
三塁ベンチ上には、父・清光さん、母・正美さん、弟・駿航(とわ)さんの姿があった。この日、飛行機で千葉入り。完全アウエーの状況で敵地のマウンドに上がった伊藤へ声援を送った。
偶然の幸運 グータッチで直接エール
プレーボールの数時間前には、こんな出来事もあった。両親らの幕張到着が、球場へ向かうチームバスの出発時間と重なり、宿舎の前で右腕とバッタリ遭遇。グータッチを交わし、直接エールを送った。
登板前に快投を予感 母の正美さん「安心していられる気がします」
リラックスムードが漂う様子に、正美さんは「大丈夫そうでした。生活が落ち着いたのか、安心していられる気がします」。たこつぼ漁を営む清光さんも、漁の合間を縫って観戦に訪れ「メッセージは何も送っていないです。いつも送らない。勝ったら送ります」と頼もしそうに見つめていた。
心に響いた兄・大海からのメッセージ
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春休みを利用して球場を訪れた駿航さんは、4月から駒大苫小牧高に進学。兄の背中を追いかけ、野球に打ち込む日々が始まる。中学の卒業式が終わった3月中旬には、伊藤から長文の激励メッセージが届いた。
「まずシニアの卒団と卒業おめでとうみたいな。『みんな努力を人が見ているところでするけれど、それだったら人が見たことがある花しか咲かない』と書かれていました」。目に見えない場所で努力することの重要性を説いた兄の言葉は、駿航さんの心に響いたという。
堂々のヒーローインタビュー 「最高の船出」
家族の温かい声援を受け、球団史上初の開幕投手を務めた伊藤はチームに5年ぶりの開幕白星をもたらした。お立ち台では「最高です!」と絶叫。ヒーローインタビューの最後に、チームを代表してコメントを求められるとこう答えた。
「最高の船出になったと思います。いろいろな天候があり、なかなか前に進めない時期も来るかもしれませんが、選手は頑張ります。ファンの皆さんも一緒に船を前に進めることを考えて応援してください。よろしくお願いします」。新エースには、これから始まる〝大航海〟を温かく見守ってくれる家族がいる。