開幕戦白星の伊藤大海 半袖で投げる姿は、まるでダルビッシュ 開幕前にはメッセージのやり取りも
■パ・リーグ1回戦 日本ハム4ー1ロッテ(3月29日、ZOZOマリンスタジアム)
風ニモ負ケズ マウンド上で貫き通したニュースタイル
日本ハムの伊藤大海投手(26)が29日、半袖アンダーシャツを着用して、ロッテとの開幕戦(ZOZOマリン)に先発登板した。プレーボール時の気温は18度。「マリンの風を味方に付けられたかなと思います」。時折、強い風が吹き、実際の気温より肌寒く感じる中、最後までそのスタイルを貫いた。
憧れのメジャー右腕から影響 昨春にはともにWBC世界一
3月14日の広島とのオープン戦で「26歳にして」半袖デビュー。新たな挑戦として取り入れたことを明かしたが、イメチェンにはもう1つ理由があった。半袖がトレードマークとなっている米大リーグ、パドレスのダルビッシュ有投手(37)の影響もあったという。
伊藤にとって、日本ハムのエースに君臨していたダルビッシュは憧れの存在だった。昨年1月に米国で行った合同自主トレで初対面。同3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、ともに日の丸を背負い、世界一に輝いた。
今では固い絆 「いい意味で気を使っていないです」
その後も良好な関係が続いている。「会うまでは緊張していたんですけど、会ってからはいい意味で気を使っていないです。思ったことをそのまんま伝えて、いろいろ聞いたりしています」。気軽に連絡を取り合える仲となった。
2人揃って開幕投手 LINEで互いにエール
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20日にはダルビッシュが、韓国で行われたドジャースとの開幕戦に登板。その直前には、LINEでこんなやりとりをした。「ダルさんから『開幕、頑張って』と来た10分後にダルさんが開幕投手というのがネットニュースに流れてきた。時間差で『ダルさんも頑張ってください』と送りました」。お互いにエールを送り合った。
常に最適解を届けるダル 伊藤「言語化能力がすごい」
その際には、こんな疑問もぶつけた。「1週間の過ごし方、ルーティンとか。どういう過ごし方をしているのか。シンプルに気になったんです。(メジャーの)中4日、5日と(日本の)中6日は全然、違ったので、まねできる部分は参考にしていきたいです」
先輩右腕からの返信は、いつも要点が端的にまとめられているそう。「ダルさんは丁寧ですね。長文というより、自分の表現を言語化することがうまい。文章がだらだらしていない。言語化能力がすごいです。それだけ考えていると思いますし、感覚が優れている。だから、人にも伝えやすいのかなと思います」。尊敬の念が尽きない。
絶対的エースへまた一步近づいた
ダルビッシュはこの日、本拠地開幕戦に先発し、六回途中5安打1失点。一方、自身初の大役に臨んだ伊藤は6回を4安打無失点に抑え、開幕白星をつかんだ。
「朝からずっと緊張しっぱなし。投げてベンチへ戻っても、まだ手が震えているような。マウスピースを何回か落とした」と振り返ったが、六回に超スローカーブでストライクを奪うなど遊び心も発揮。背格好は違っても、半袖で力投する姿はかつての絶対的エースと重なって見えた。