鈴木健矢が調整登板で1回完全 ロングもスクランブルも何でも任せろ「唯一無二になれれば」
■イースタン・リーグ1回戦 ロッテ5-2日本ハム(3月30日、鎌ケ谷スタジアム)
良くない中でもゾーンにいけた
いつでも、〝出陣〟の準備はできている。日本ハムの鈴木健矢投手(26)が、2軍ロッテ戦の3番手で登板して1回を3者凡退に抑えた。開幕1軍メンバーに入ったが、前日29日の開幕戦は出番がなかった。前回の実戦がDeNAとの22日オープン戦(エスコンフィールド)と間隔が空いたため、この日は1軍登録のまま2軍で調整登板。快投で戦闘態勢が整っていること証明し「結果は良かったので、まあまあかなと思います。(試合前の)ブルペンが良くなかったので、良くない中でもしっかり(ストライク)ゾーンに投げていけるようにという気持ちでいって、しっかりゾーンにはいけていた」と自身に及第点を与えた。
収穫と課題に充実感
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いつも通り、下手投げから繰り出す緩急自在な投球術で、打者を翻弄した。五回先頭の高部を2球で遊ゴロに仕留めてリズムに乗ると、続く松石には91キロのカーブも交えながら、空振り三振を奪った。最後は池田に三ゴロを打たせ、わずか10球でピシャリ。「ちょっとスライダーが引っかけ気味だったので、そこは修正しないといけないかなと思います。シンカーは良かったですし、真っすぐも操れたので、あとはスライダーだけですね」。収穫と課題を手にし、充実感をにじませた。
高いユーティリティ性が武器
チームにとって、鈴木の存在は大きい。ただ一人の下手投げで相手打者の目線を変えられるだけでなく、先発、中継ぎ、ロングリリーフ、スクランブル登板と、どんな役割にも適性を発揮する。高いユーティリティ性が武器の一つであることを自認する右腕は「常に一定の気持ちで、急なことに対して動じないように。ある意味で、良い鈍感さを持ってやれたらいいかなと思います。敏感にならずに」と〝鈍感力〟の大切さを強調した。
緊急登板時に結果を出せたら
千葉・木更津総合高校時代から、いろいろな場面での登板を経験してきた。JX―ENEOSに所属した社会人時代に引き出しを増やし、今季がプロ5年目。チームの緊急事態が、自分の出番だと心得ている。「スクランブルとかは、なかなかできないこと。僕が、唯一無二になれればいいなと思っています。そういうことができる選手がいてくれれば、チームにとっても助かると思う。そこで、しっかり結果を出していけたら」と力を込めた。
31日からは、再び1軍に合流する。シーズンはまだ始まったばかり。山あり谷ありの残り141試合に、鈴木の力は必要不可欠だ。