支配下昇格の福島蓮 先発調整初戦は3回2失点 1軍では郡司&野村と食事して「スーパーピッチャーと…」
■イースタン・リーグ1回戦 ロッテ5-2日本ハム(3月30日、鎌ケ谷スタジアム)
希望通りの先発転向
未完の大器が、〝本当の目標〟に向かって再スタートを切った。日本ハムの福島蓮投手(20)が今季初先発し、3回2失点。黒星こそついたが、「将来的には先発がやりたい」という希望通り、スターターとしての道を歩き出した。
開幕前まで1軍帯同
21年の育成ドラフト1位で入団し、今季が高卒3年目。今月14日に支配下昇格を果たすと、開幕前までは中継ぎ要員として1軍に帯同していた。オープン戦では2試合に登板し、計3回で5三振を奪うなど、ポテンシャルを存分に発揮。一方で、首脳陣はチーム状況と右腕の将来性を考慮し、開幕1軍メンバーには選ばず、2軍での先発調整を指示した。
チャレンジできる喜び
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ポジティブな性格の福島は「前向きに。(勝負は)今じゃないので。いずれは先発をやりたいと思っているので、いいかな」と、開幕1軍を逃した悔しさよりも、先発にチャレンジできる喜びをかみ締めた。
力感は8、9割に
投球スタイルも、先発仕様にモデルチェンジした。中継ぎ登板時は全球全力だったが、この日は力感を「8、9割」に抑え、イニングを重ねようと試みた。一回は3者凡退に抑え、上々の滑り出し。二回は2死一、二塁のピンチを背負うも、140キロ台後半の直球を軸に、冷静に切り抜けた。しかし、打順が二回り目に入った三回につかまり、2点を失った。
「初回は良かったんですけどね。フォークをカウント球としても決め球でも決められれば、もうちょっと楽だったかなと思います。全部明らかなワンバンだったので。力感を抑えて入っても、力を入れたいところで入れられたいいんですけど、難しいですね。体力的には、自分では大丈夫な気がしたんですけど、やっぱり二回り目は捉えられました。しっかり考えてやらないといけないですね」
1学年上の細川、根本からも祝福
1軍帯同期間中には、先輩たちとの交流を深めた。まずは1学年上の細川、根本と食事に行き「(支配下昇格)おめでとう、と言ってもらいました」と祝福を受けた。終盤には郡司、野村からも声がかかり、高級寿司を堪能。「郡司さんとジェイ(野村)さんは、ほとんど話したことなくて、いきなり。この日空けておいてって言われて、おいしいお寿司に連れて行ってもらいました。最初は緊張していましたけど、全然大丈夫でした。いいよいいよって。いい人たちでした。ずっといじられていました。スーパーピッチャー、スーパーピッチャーって」と笑顔で振り返った。
緊張の中にも充実感
1軍の雰囲気を肌で感じ、得たものは多い。「多少は緊張しましたけど、楽しかったです」と充実感をにじませる。もちろん、早期の〝再昇格〟を目指すが、小さくまとまるつもりはない。将来は本物のスーパーピッチャーになって、再びエスコンフィールドを沸かせてみせる。