伏見寅威 〝さちとら〟コンビ再結成に大歓声「懐かしい思い。次の試合は絶対、勝てるように」
■パ・リーグ1回戦 楽天4ー2日本ハム(4月2日、エスコンフィールド北海道)
示したベテランの存在感 打っては2安打
日本ハムの伏見寅威捕手(33)が2日、本拠地開幕戦となる楽天戦(エスコンフィールド北海道)に「9番・捕手」で出場。オリックス時代からの盟友・山崎福也投手(31)とコンビを組み、犬鷲打線に立ち向かった。
バットでも2安打と気をはき、チャンスメークに成功。今季初出場のベテランが存在感を示した。
521日ぶりにコンビ再結成 投手優先のインサイドワーク
左腕と公式戦でタッグを組むのは、2022年10月29日の日本シリーズ第6戦(ヤクルト戦)以来。521日ぶりの〝さちとらバッテリー〟結成に、ファンから大きな声援が注がれた。
「福也も初登板。緊張は絶対にあると思っていた。相手のデータとかではなく『自分のピッチングでいこうよ』という感じで。投手優先で、最初からあまり難しい配球はしたくないと思っていました」
楽天打線を相手に四回まで無失点 心がけたリードとは
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ホーム開幕戦。球場を包む独特の空気に飲まれることなく、丁寧に投球を組み立てた。移籍後初登板となる山崎の長所を引き出すため、心がけたのは自然体なリードだ。
「相手も同一リーグで、福也とは何度も対戦している。どういう対策をしてくるのか、反応にいろいろ出てくる。相手打者の狙い球やタイミングを見ながら、それをいち早く感じて、できるだけシンプルに組み立てました」。相手の裏をかきながら、ゲーム序盤を無失点で切り抜けた。
打撃への思いも強い2024年シーズン
鋭い観察眼を発揮した一方、バットでも結果を残した。第1打席で左前打を放つと、七回の第3打席でも遊撃内野安打をマーク。「結果が出たのはすごく良いこと。去年は序盤に全然、打てなくて、シーズンを通しても活躍できなかった。今年は打つ方でも、というふうに思って(シーズンに)入っている。打席に対する思いは結構、強い。これに満足せず、という感じです」と、マルチ安打で好スタートを切った。
〝さちとら〟再出発 次こそは白星奪取だ!
何よりも欲しかった白星は逃したが、課題よりも大きな収穫を得た。投手思いの女房役は「(バッテリーを組んで)なんだか懐かしい思いがありました。でも、きょうは勝ちにつなげられなかった。しっかり反省して、次の試合は絶対、勝てるようにコミュニケーションを取っていきたい」。数々の勝負を制してきた名コンビが、北の大地で再び、物語を紡いでいく。