生田目翼 今季初登板で火消しに成功 登板前に行う武田久コーチとの〝儀式〟とは
■パ・リーグ1回戦 楽天4ー2日本ハム(4月2日、エスコンフィールド北海道)
今季初登板はホーム開幕戦 七回途中にマウンドへ
日本ハムの生田目翼投手(29)が2日、楽天との本拠地開幕戦(エスコンフィールド北海道)で今季初登板。七回途中のピンチでマウンドへ上がり、火消しに成功した。試合後は「全然、何もないですよ~」と照れくさそうだった。
シビれる場面で登板 ピンチを脱し絶叫
プロ6年目の今季は初めて開幕1軍メンバー入り。今季初マウンドは絶体絶命の状況で巡ってきた。先発の山崎が1ー3の七回1死二、三塁とピンチを招いて降板。2番手として、これ以上失点が許されない場面を託された。
三ゴロと四球で2死満塁としたが、最後は小深田を二ゴロ。右拳を握って、何度も雄たけびを上げ「だいぶ緊張したっす。とりあえず」と安堵の表情を浮かべた。
武田久コーチと再タッグ 日通時代も師弟関係
150キロを超える直球と球速差のないツーシームが持ち味。底知れぬポテンシャルを秘める右腕の課題は、メンタル面だった。社会人・日本通運時代にコーチと選手の間柄だった武田久投手コーチが6年ぶりに古巣へ復帰。再び師弟タッグを組むことになった。
武田コーチの活がルーティン 「アドレナリンを出してもらうような言葉」
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ブルペン担当の同コーチとは、登板前にスイッチを入れる〝儀式〟がある。始まりは3月のオープン戦期間中。「テンションを上げられるように、久さん気合入れてください的な。アドレナリンを出してもらうような言葉をかけてもらっています。開幕1軍じゃないか瀬戸際にいたので、その時に、おまえ、そろそろ腹くくれよと。それで抑えて良かったのでやっています」。活を入れてもらい、マウンドに上がるのがルーティンとなった。
ブルペンで「ねじ伏せてこい」→登板後は「生田目、ええやん」
この日、ブルペンでかけられた言葉は「キレイに抑えなくていいから、ねじ伏せてこい」。きっちり仕事を果たした愛弟子に、武田投手コーチは「生田目、ええやん。ああいうピンチはいくしかない。持っているものはすごいよ。あんな状況でなかなか抑えられないよ」と上機嫌だった。
リリーバーの適性も十分 「犠牲になります」
先発としてのキャリアもあり、今後はイニング途中の登板やロングリリーフなど多岐にわたる役割を求められそうだ。「先発のピッチャーが苦しくて、自分がいくなら全然、犠牲になります。先発ピッチャーのランナーをかえしたら失点になっちゃうし、抑えるのが仕事なので、続けるように頑張ります」
目指すは1軍完走 〝強力援軍〟とともに突き進む
シーズン開幕直前には、髪をド派手なシルバーに染め上げた。「まさかこんなシルバーになるとは。もうちょい暗いイメージでした。めちゃくちゃ明るくて目が疲れますよね。ファームに行かないように頑張ります」。武田投手コーチの復帰が、プロ野球人生の転機となりそうな予感だ。