札幌DF馬場晴也がプロ初ゴール パリ五輪代表入りへ最終アピール
■J1第6節 札幌1-2名古屋(4月3日、札幌ドーム)
前半30分、パリ五輪日本代表候補のDF馬場晴也(22)が記念すべきプロ初ゴールを決め、札幌が先制した。リーグ戦通算74試合目での記念すべき得点で、4日に発表予定のU-23日本代表入りへ、最後のアピールに成功した。
ディフェンダーが点取れれば、もっと良くなる
歓喜は波状攻撃の中から生まれた。相手のクリアボールをペナルティーエリアの右外側で拾うと、左に走り込んできたMF浅野雄也(27)とワンツーの形でラストパスをもらい、右足で冷静にゴール左隅へ流し込んだ。「今日はボールが来たら(足を)振ろうと思ってたんで、迷いなくでした。率直にうれしかった。右の後ろをやってからは、ゴールに直結するようなチャンスが、ボランチの時より増えてきている。ディフェンダーの選手ですけど、あそこのポジションが点取れれば、もっと良くなると思うんで、その一歩になればいい」。超攻撃的サッカーを掲げる札幌にふさわしい、存在感を示すゴールだった。
あの時間でもう1点は絶対取れた
ただ記念のゴールも、逆転負けで空砲に終わり喜び半減。「あの時間でもう1点は絶対取れた。あの1点で満足せず、もっと押し込んでいければ。それを去年のいい時はできていた。そこはもっとやっていかないと」。ここまで6試合で相手のオウンゴールを除くと、まだ2得点。最下位からの脱出には、ゴールラッシュが何よりもカンフル剤だ。
後半13分から守備位置左へ
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守備でも新境地を見せつけた。後半13分にDF髙尾瑠(27)が右CBに投入されると、馬場は左へ。「去年、ちょっとだけアウェーの鹿島でやりました。(近藤)友喜が来たんで、いい形で仕掛けさせることを一番に考えていた。仕掛けて無理だった時、落としからの右足のクロスを左では意識しました」。今季はボランチでも出場するなど、ポリバレント性に磨きをかけている。
U-23ウクライナ戦は左でフル出場
代表では3月25日に行われたU-23ウクライナ戦で左CBでフル出場。「代表ではセンターバックをやってるので、得点よりも0で抑えたり、守備のところでもっとやらないといけない。守備は1人ではどうしようもできない部分もあるので、リーダーシップじゃないですけど、自分が動かしていかないといけない課題を感じた」。やれることはやった。あとは4日の発表を待つだけだ。
過密日程 中2日でホームガンバ大阪戦
過密日程を乗り切る。アウェー神戸戦から中3日で迎えた名古屋戦。さらに中2日で、ガンバ大阪をホームに迎える。2試合連続フル出場しているのは、馬場を含めて3人だけ。「まずは回復に努めて、その中で、いろんな選手とコミュニケーションを取って、ガンバ戦に向けて話していきたい。何がなんでも勝たなきゃいけない試合。今日も入りはよかったですけど、さらにもっといい入りをして、90分間で常に主導権を握る試合ができれば。そこに向けて、時間は少ないですけど、下を向きすぎずに全員でやっていきたい」。長いトンネルを抜けるため、背番号88が最終ラインからチームを鼓舞する。