大田新庄イズム心酔「役割を全うできる準備を」
今季、国内フリーエージェント(FA)権を取得した日本ハム・大田泰示外野手(31)が13日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主練習を行った。シーズン終了後、2週間の充電期間を経て、12日から再始動。今後行われる球団との交渉を前に、新庄剛志新監督(49)が目指す「スモール・ベースボール」体現に意欲を見せた。また沖縄で行われている秋季キャンプは同日、第3クールに突入した。
新庄ビッグボスが理想とする、機動力や小技を生かした「スモール・ベースボール」。報道を通して知った指揮官の走塁と守備に対する意識の高さに、大田は心を奪われている。
「僕もそういう野球は好き。自分が考えていること、やるべきことをまずやる。その中で、監督が目指している野球をしっかり理解して、役割を全うできる準備をしっかりします」
印象に残った公約としてまず挙げたのが、新庄監督が4日の就任会見で掲げた「ノーヒットで点を取る」だ。広い本拠地・札幌ドームは本塁打が出にくいため、一つ先の塁を目指す走塁が求められる。「攻撃にしても進塁打、バント、エンドランだったり、監督が信頼して使ってくれる選手になれるようにやりたい」と意気込んだ。
ビッグボス流の練習法にも共感した。視察に訪れた秋季キャンプでは、ワゴン車を使って低い送球を意識させる練習を導入。「ボールは低く投げる。その通りだと思うんですよ。高く投げてしまえば、ランナーは進塁する。守備に対する意識をもう1回持たないといけない」と再確認させられた。
今季は76試合に出場して打率.204、3本塁打、20打点と移籍後5年間でいずれもワーストの数字に終わった。8月に国内FA権を取得し、球団とは今後、話し合いの場を持つこととなりそうだ。
シーズン終了後は、あえて2週間ほど体を動かさなかった。移籍後、初めての長期休暇を取り「年齢と共に体が変化しているので、1回リフレッシュした。練習したいけれど休んでみた」。バッティング映像を見返し、自らを見つめ直す時間に充てたという。
12日から来季の巻き返しに向けて再始動し、この日はランニングなどで体を動かした。「もう1回、規定打席立ってレギュラーになれるよう、やるべきことをしっかり考えられた」と気持ちを新たにした。
新体制の下、レギュラー再奪取へ。新庄イズムを体現するべく、大田が準備を進めていく。
新庄監督SNSでも始動
新庄ビッグボスが13日、自身のツイッターで「自分をバッターにして野球ゲームで配球を学ぼう」と投稿した。
沖縄・国頭で秋季キャンプに参加中の渡辺は「バッターによって絶対に配球は変わる。試してみます」。また細川は「ゲームはあまりやらないですが、他の試合を見て自分だったらこう待つとか、勉強できたら」と選手たちは指揮官の意図をくみ取っていた。
ビッグボスは同日、インスタグラムも更新し、自身の現役時の中堅からのバックホーム動画を掲載。低くて速い送球を「練習から常にクセをつけて下さい」と発信した。監督就任以降、SNSを通じて積極的に選手への“指導”を行っている。