《G大阪戦前日》生きている限り、必ず立ち上がって前を向いて進んでいける。それが人生であり、サッカーだ
■4月5日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
―明日の対戦相手のG大阪は、ここまで負け無しと好調。今季のG大阪をどのように見ているか
5連敗している中で、こういう場でコメントするのは、なかなか心苦しいものだが、G大阪は非常にすばらしいチームだと思っている。今シーズンまだ負けが無く、流れが良い状況のチームだ。
反対に我々はまだ今シーズン勝利が無いチーム。ここまで負けてないチームと、勝ってないチームの対戦ということで、非常に興味深い試合だと思っている。
―名古屋戦から中2日で、さらに契約上FW鈴木が出られないが、選手起用についてはどのようなイメージを持っているか
中2日のゲームということで、日程的に非常にタイトである。もちろん相手のG大阪にとっても同じことで、お互いに難しいゲームになるのは間違いない。
ただ我々札幌に関しては少し特別な事情があって、ケガ明けの選手たち、長期離脱していた選手が多いということが、この連戦をさらに難しくしている部分はあるだろう。そういう中でどの選手を起用していくか。自分たちの持てるマックスをしっかり出さなければいけないと思っているし、選手たちは名古屋戦で自分の力をリミットまで出して走って戦ってくれた。中2日でどこまで回復できるか、しっかり見極めなければいけない。
そういう意味で、90分を通してチームのバランスを考えながら、チーム編成を考えていかなければいけない。スタートから出る選手と、途中で入ってくる選手のバランス、そして途中出場の選手の役割というものも、非常に重要になってくる。
―まだ勝ちが無い状況だが、前節は良い内容の時間もかなりあった。今のチーム状況をどう感じているか
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この間の名古屋戦は、今シーズンのベストゲームと言っていい内容だった。ただ、その試合をもってしても勝利できなかったことが、選手たちにとって、メンタル的にダメージになったと思う。その前の4試合で、あまり内容の良くないゲームをして敗れているのとは、ちょっと意味が違い、選手たちには、こんなにいいゲームをしても勝てないのか、という思いがある。
それは非常にネガティブなメンタルであるが、今日のミーティングで選手に話したことは、こういうゲームができたことをポジティブに考えるということ。大事なのは、いかに強い気持ちを持って、ネガティブな考えに打ち勝っていくかということだ。これができれば、次は必ず勝てる、そういうマインドを強く持つことだと思う。
ネガティブな考えというのは、ポジティブなものより頭の中を強く占めることが多い。だからこそ、それに打ち勝つ気持ち、いかに自分たちが前向きな気持ちで、ポジティブに「次こそは絶対、こういうゲームをすれば勝てる」と、強く思って戦えるかだ。そういった部分が、次のゲームで非常に大事な要素だと、私自身が経験から思ったので、今日のミーティングではそこを特に強調して話した。
―長い監督キャリアの中では苦しい時期があったと思うが、何がきっかけで良い方向に変わると考えているか
世の中には、5連敗よりもっと厳しい状況に置かれている人たちもいるだろう。我々の人生そのものは、良い時期もあれば悪い時期もある。それが人生だ。良くない時期に崩れてしまう人たちというのは、なかなかはい上がれない、あるいはそこから昇ってこられないだろう。そこを乗り越え、厳しい時期を越えた人たちだけが、成功をつかみ取っていると思う。
一番大事なのは、こういうときに自分たちが試されているということ、いかに自分たちが、そこからはい上がっていけるか、歯を食いしばれるか、ということだ。私自身は死なない限り、より強くなって戻ってこれると思っている。だからこそ、こういうときこそ強い気持ちを持って、そこからはい上がる、そのメンタリティーを持てるかどうか。その部分だと思う。
より強くならなければいけない。生きている限りは、我々は必ず立ち上がって前を向いて進んでいけるはずだ。それが人生であり、それがサッカーだ。負けたときこそ、自分自身に、よりパワーを持って次に向かっていく、そのエネルギーを持たなければいけないだろう。