《岩本勉のガン流F論》驚きの采配 周囲を納得させた金村
■パ・リーグ1回戦 西武2ー3日本ハム(4月5日、エスコンフィールド北海道)
勝負強さが備わってきた新庄ファイターズ
これまでとは明らかに違うファイターズの姿を見た。ことごとく1点差ゲームを落としていた去年までのチームはもうない。厳しい場面をしのぎきり、勝ちきれるようになったことは大きい。今井の出来、強力リリーフ陣の面々を見れば、0―2となった時点で分が悪かった。それでもよくぞ追い付いた。相手のミスもあったにせよ、勝負強さが備わってきた。
昨季までとの違い 相手バッテリーが嫌がる野球に終始
何が違うのか。去年まではイケイケで打ちにいく攻撃を主としていた。今年は一転、開幕から、相手バッテリーが嫌がる野球に終始している。失敗に終わったが、十一回の水野のスリーバントにもうかがえる。あそこで決めていれば、西武に大きなプレッシャーを与えられた。また、去年までなら2ストライクになった時点で、ヒッティングに切り替えていた可能性もあるだろう。
緊急事態で見せた新庄監督の采配
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そして驚きの采配もあった。八回に2番手で登板した金村の九回続投。これはスゴいことだ。池田が離脱中。いわば緊急事態ではある。だが、1イニング目でピンチを招き、どうにか無失点で切り抜けた。リリーフという不慣れなポジションでもある。それでも首脳陣は2イニング目のマウンドに送り出した。
気迫のこもった投球 後続にも好影響を与えた金村
1イニング目を無失点で抑えられたら続投、と決まっていたのか。または試合の流れを見た上で急きょ、選択した采配だったのか。いずれにしても、金村は周囲を納得させるだけの結果を残した。そこは紛れもない事実だ。その気迫のこもったピッチングは後続にも好影響を与えた。田中正と河野は金村によって生み出された流れに乗り、いずれも1回を3者凡退。そしてラスト十二回、北浦の粘りも引き出した。驚きの起用は大きな効果をもたらした。
マルティネスは好調へ 田宮&水野がいる恐怖の下位打線
試合を決めたマルティネスにも触れておきたい。周りがつくってくれたチャンス。サヨナラ犠飛の一打は絶不調から好調へと自分を変化させるきっかけになったはずだ。これからもチームに感謝し、打ちまくってや! 頼むで! 田宮や水野の活躍も目覚ましい。まさに恐怖の下位打線だ。