サブマリン右腕の鈴木健矢 今季初登板で2回無失点 好投の要因は爆睡?
■パ・リーグ2回戦 西武5ー2日本ハム(4月6日、エスコンフィールド北海道)
五回から2番手登板 無安打無得点の好リリーフ
日本ハムの鈴木健矢投手(26)が6日、エスコンフィールド北海道で行われた西武戦に2番手で登板した。4点ビハインドの五回からマウンドへ上がり、2イニングを無失点で切り抜けた。
待ちに待った、今シーズン初の登板機会。緩急を自在に操る投球術で、西武打線を封じ込めた。五回を3者凡退に抑えると、続く六回は先頭打者に死球を与えながらも、後続をシャットアウトした。
コントロールに苦慮も「とにかくゾーンで(勝負)というイメージ」
持ち味を十分に発揮し「(登板の)間が空いていたので緊張しました。きょうはコントロールが良くなかったので、とにかくゾーンで(勝負)というイメージでした」と上々の結果に胸をなで下ろした。
想定外の緊急登板にも動じず
出番は突然だった。先発の加藤貴が四回につかまり、まさかの4失点。左のエースが早々と降板を余儀なくされても、動揺や焦りは一切なかった。「高校の時から緊急登板をやってきて、社会人でも多かったので慣れています」。優れた対応力で、この日も難しい役割を果たしきった。
前向きな割り切り 「起用法はこっちでコントロールできない」
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今季は開幕ローテの一角を狙い、春季キャンプから先発調整に励んできた。オープン戦でも一定の結果を収めたが、開幕直後は先発枠が5つだったこともあり、持ち場を得られなかった。
いまだポジションは定まらず、先発や中継ぎ、回またぎのロングリリーフにスクランブル登板と、何でもござれの稼業が生業となった。「投げろと言われたら、そこで抑えるのが仕事。起用法はこっちでコントロールできないので、求められたところでという感じで頑張りたい」と献身的な思いを胸に抱く。
開幕7戦目で巡ってきた出番 地に足を着けて調整
あらゆる可能性に備えるが、調整は容易でない。出番を想定できずに過ごす日々は、メンタル面をいかに安定させるかが活躍の鍵を握る。
初登板が7戦目まで持ち越された状況に「先発もリリーフもみんな良くて『投げるところがないな~』とモヤモヤして、すねてました(笑)。きょう投げることができて本当に良かった」と本音をもらした。
10時間睡眠で心も体も万全
募るストレスを解消してくれるのは、良質な睡眠だ。試合のなかった4日は「サウナに入って、夜の2時から昼くらいまで10時間以上、1度も起きることなく寝腐ってました。シンプルに寝て、切り替える。それしかないです」と爆睡することで心身を整えた。
首脳陣も高評価 建山投手コーチ「マルチに働いてもらう」
快投を見守った建山投手コーチは、万能ぶりを発揮するサブマリンを「開幕してから出番がなくて難しかったと思いますけど、緊張感がある中でよく投げてくれた。彼の場合は、こういうところで投げると決めずにマルチに働いてもらう。それがチームにとって一番プラスになる」とたたえ、大きな期待を寄せた。
プロ5年目の26歳 今やチームに欠かせない存在
プロがしのぎを削る世界で、鈴木にしかできない仕事がある。唯一無二の存在が、チームの屋台骨をガッチリ支える。