田宮裕涼 打ちまくって打順昇格 初5番でマルチも「加藤(貴)さんで勝ちたかった」
■パ・リーグ2回戦 西武5ー2日本ハム(4月6日、エスコンフィールド北海道)
売り出し中の6年目捕手 今季全7試合中4試合で複数安打
日本ハムの田宮裕涼捕手(23)が初めてスタメンの5番に抜てきされた。6日の西武戦(エスコンフィールド北海道)は前日の6番から1つ打順を上げて出場。相手先発の隅田知一郎投手(24)から二回に左前打を放つなど、今季4度目のマルチ安打を記録し、期待に応えた。
クリーンアップの重圧もなんのその
首脳陣の評価はうなぎ上りだ。開幕戦の打順は9番だったが、3戦目は7番に上がり、5戦目は6番に入った。とうとうこの日は中軸に昇格。意気に感じながらも、重圧につぶされることはなく「試合に出させてもらっているので、しっかり自分の仕事をしたい。打順は関係なく、自分のできることをしっかりやりたい」と心に決めて打席に立った。
ここまで21打数11安打 リーグトップの打率.524
二回の安打に続き、九回は水上の低めのスライダーを右前にはじき返し、チャンスを拡大した。追い込まれてもしぶとく粘り、甘い球を待つスタイルで活路を開いている。快音が止まらない。開幕から7試合消化時点で、21打数11安打の打率・524。リーグトップを走っている。
投手のリードを最優先 打撃は「回ってきたら集中する」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
コンタクトを重視した打撃に自信を深めている。ただ、もっと大事な仕事があると自覚している。「試合に勝つことだけ。本当はきょう、加藤(貴)さんで勝ちたかった。そこを一番に考えて自分の打席はどうでもいいといったらどうでもいい。回ってきたら集中する、という感じでやっています」
大勢が決した四回の4失点を猛省
悔やまれるのは四回のリードだ。先発の加藤貴が2死から連打を許し、佐藤龍に3ランを浴びた。続く岸にもソロ被弾。攻め方に改善の余地があり「2死までいって、1本出た後、(コルデロに対して)2ストライクと追い込んでから、簡単に打たれた。もうちょっと厳しくいければ良かった」と反省した。
〝ゆあビーム〟発動も慢心なし
三回には得意の強肩を生かした〝ゆあビーム〟で2021年盗塁王の源田を刺すシーンもあった。それでも「本当はその前(一回、金子が盗塁)も刺したかったんですけど、ちょっと(ボールを)握れなかった。今年は全部、刺そうと思っているんですけど、うまくいかない時もあります」と慢心はなかった。
狙うは正捕手の座 目の前のプレーに全身全霊
今は、未来よりも目先の1勝に執着する。2軍で力を蓄え、はい上がってきた田宮は正捕手の座を手中に収めるまで、ストイックに1打席、1球に集中する。